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筑波大学大学院 システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻:機械・土木・建築・航空・宇宙・原子力・電気・環境・エネルギー:修士課程・博士課程・追加募集
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修了生座談会

資格も取れるし、充実した研究も、キャンパスライフも謳歌できる・・・

鉄道の世界で思いっきり活躍できるベースが、
学生時代にしっかりと養われました。

構造エネルギー工学専攻 修了生座談会 2014

揃って鉄道会社に就職した、システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻の博士前期課程(修士課程)修了の先輩たち。この国のインフラを支える最前線で活躍する先輩たちは、大学時代そして大学院時代に、どんなことを考え、どのように過ごしていたのでしょうか。筑波大学や、構造エネルギー工学専攻・工学システム学類ならではのメリットも含めて、楽しく語ってもらいました。



赤上 広生さん(32)

東海旅客鉄道株式会社
総合企画本部 企画開発部

構造エネルギー工学専攻
修士課程修了
工学システム学類
環境開発工学主専攻卒業
栃木県下都賀郡出身



保坂 剛さん(28)

西日本旅客鉄道株式会社
近畿統括本部 施設課

構造エネルギー工学専攻
修士課程修了
工学システム学類
環境開発工学主専攻卒業
兵庫県神戸市出身



中山 裕司さん(28)

東海旅客鉄道株式会社
新幹線鉄道事業本部 東京保線所

構造エネルギー工学専攻
修士課程修了
工学システム学類
環境開発工学主専攻卒業
茨城県小美玉市出身



平野 雄大さん(28)

東日本旅客鉄道株式会社
東京工事事務所 工事管理室

構造エネルギー工学専攻
修士課程修了
木更津工業高等専門学校
専攻科環境建設工学専攻修了
千葉県木更津市出身

大学院を選ぶ時、「人」も大きなポイントだった。

赤上:筑波大学・工学システム学類への入学を希望したのは、2年次で専攻分けがありますから、1年次では共通のさまざまな科目を学んだうえで進路を決めることができるという大きな魅力がありましたね。もちろん、モノづくりに携わりたいという気持ちはありました。子どもの頃はプラモデルとか好きでしたし、最初はロボットや自動車をつくりたいと思っていましたが、大学に入ってから考えが変わりましたね。そういう意味でも、最初から機械工学科みたいなところに入らなくてよかったと、今では思っています。

中山:自分は家が茨城なので、地元の大学を頑張って受けてみたら合格しちゃったという感じです(笑)。ですから一人暮らしせずに、実家から6年間クルマで通いました。

保坂:私は地元が神戸ですから、近いからという理由ではなく、離れた新しい環境を求めましたね。筑波大学は総合大学で、体育や芸術などにも強く、全国各地からいろいろなタイプの人が集まるバラエティに富んだ大学という良い印象がありました。

平野:私は大学院から筑波大学でした。高専から大学院へ行くのに、どこがいいかいろいろ探したのですが、結局は「人」で決めましたね。先生をはじめ、みなさんの雰囲気が良かったです。無事に合格した後、研究室の卒業される先輩から「冷蔵庫とかコップとか全部あげるよ!」と、生活に必要なものを一式すべていただいて(笑)、とても親切にしてもらいました。

家での鍋に付き合ってくれる、アットホームな環境。

赤上:筑波は田舎でもあり、ほどよく都会にも近いし、勉強や研究をするにはいい環境ですよね。

平野:絶妙に周りの余計なものをカットしてくれる環境なんですよね。最初に訪れた時に、すごく感動しました。みんな付き合いもいいし、「家で鍋をしよう!」って誘った時に、すぐに来てくれるのはうれしいですよね(笑)。

赤上:本当に同じ釜の飯を食ったという感じがするから、社会人になってから再会すると、今でも盛り上がりますよね(笑)。

中山:幅広く学ぶことができて、いろいろな基礎知識が身に付けられるのは、就職してからもやっぱり強いです。

平野:それぞれの研究分野の最先端を走っている先生が多いのは、学生にとっても学びがいがありますね。

美しいコンクリートを見ると、テンションが上がる。

平野:研究の内容については、高専時代の延長で、とにかくコンクリートを引っ張りたかったですね(笑)。本当にコンクリートが好きで、心からキレイだと思うんです。ツヤッツヤの表面なんかを見ると、ものすごくテンションが上がるんですよ(笑)。

保坂:コンクリートは本当に、やってみなければ分からない。やってみて初めて分かるところがおもしろいです。

中山:実験では、型枠なんかも自分でつくるところがいいんですよね。

平野:そして、日本の成長を支え続けているコンクリートという材料を、もっと良いものにして行きたいという気持ちがありましたね。それで、研究室の先生に「こんな研究がしたいです」とお話ししたら、解析専用のパソコンやカメラなど、希望がかなえられる設備を整えていただいたので、びっくりしました。先輩方にもずいぶんフォローしてもらいましたね。授業では、製図など建築系の科目を取ったことが、今ゼネコンの人たちなどと話せるベースになっています。

保坂:今にして思うと、社会工学類の測量関係の授業は、土木の仕事に携わるうえで重要になりますから、基礎知識として履修しておけばよかったかなと思いますね。

 

震災を経験して、地震に関することを研究したいと考えた。

赤上:中山君も、研究の内容はコンクリートだったよね。テーマは「腐食」だったかな。

中山:そうですね。腐食に関しては、僕が最先端みたいなところもありますからね。

一同:おーっ!(笑)。

赤上:自分が研究室を選ぶ時は、もう鉄道土木をやりたいと考えていました。最初はモノづくり希望でしたけど、いろいろ勉強していくうちに、これからはメンテナンスも重要なテーマになるだろうと…おもしろそうだなと思いましたね。小さい頃から鉄道が好きだったし、三角形が整然と並ぶトラス橋を見たりすると、カッコいいなと胸躍らせていましたからね。

中山:僕はもともと一級建築士になりたいという夢があったので、工学システム学類のカリキュラムで一級建築士の受験資格を得ることができるのは大きな魅力でしたね。研究室を選んだのは、「材料力学」の授業がとてもおもしろかったので、その先生の研究室にしました。

保坂:私は神戸出身で阪神・淡路大震災を経験したので、家やインフラが倒壊する様子も見てきています。ですから、工学の勉強をする中で、地震に関することを研究したいと思うようになりましたね。

JABEEに認定されているのは、社会に出てからの大きな強み。

平野:筑波大学の工学システム学類は、JABEE(ジャビー:日本技術者教育認定機構)に認定されているところも大きなメリットじゃないですか?

一同:それは大きい! JABEEはデカいです!

保坂:会社からは技術者として最高職になる「技術士」の資格を取ることを勧められるし、JABEEコース修了者として「技術士補」の資格を得られて、「技術士」の一次試験を免除されるのは大きいですね。

赤上:それに「技術士補」からだと、通常より短い実務経験でも二次試験を受けられるし。給与や人事面で優遇される会社も多いでしょうから、本当にいいよね。「技術士」の資格がなければできない仕事の内容もあるし。

中山:こういうことって、社会に出てからはとても大きいけれど、学生時代はなかなか実感できないですからね。

みんながハッピーになること、Win-Winになることを考えている。

平野:みなさんJRに入社を希望したのは、どんな理由から? 自分は、とにかくビッグスケールの仕事を発注できるという点は、大きな醍醐味のように感じましたね。

赤上:私は東海道新幹線・新大阪駅構内の線路増設工事に携わったのですが、自分が設計した構造物が地図に残るということは、責任も大きいけど、やりがいも大きいですね。

中山:そうした仕事で、初列車が安全に通過する時の喜びは、なんとも言えないですね。

赤上:高架化することで踏切をなくして渋滞を解消するなど、まちづくりに関する仕事も行っているんですよ。そんな仕事の中で、みんながハッピーになること、Win-Winの関係になることを考えています。

保坂:私も自治体との協議を行っていますが、専門家として鉄道の安全を確保しながらも、さまざまな角度から多くの人々のメリットを考えるようにしていますね。

仕事で大切なのは、経験、熱意、向学心。そして、自分の意志。

平野:どんな仕事もそうかもしれませんが、大切なのは熱意ですよね。私は、安定を求めるのではなく、常に高みをめざしているような人と一緒に仕事をしたいですし。それに異動もあるので、その時の仕事の中でどんどん吸収していく向学心のあるタイプの人が求められるかもしれませんね。

中山:先輩にどんどん聞けることは大切ですね。もちろん自分で勉強することは必要ですけれど。ストイックで、かつ友達をつくれる人っていうのが、向いているかもしれない。

赤上:「自分はこうしたいんです!」っていうものを持っている人はいいですね。それから、今だとみんなが「リニアをやりたいです」とは言える。でも、少しでもその先のことを見ている人のほうがいいと思うんです。

生まれてきたからには、社会に貢献できる大きな仕事がしたい。

赤上:でもやっぱり、リニアを自分の手でつくりたいという夢はありますね。みんなは?

中山:自分もまったく同じです。せっかくなので、大きい仕事をしてみたいですね。

平野:私は、信頼される人になりたいです。この国の方針にも影響を持てるような実力を付けたい。そのために、自分の得意な分野をもっともっと突き詰めて磨いていきたいですね。

保坂:私は、さまざまな仕事に積極的にチャレンジして視野を広げ、鉄道施設の維持管理という重要な役目を担いながら未来へとつなげていける、しっかりとした大人になりたいと思います。

 

                (2014年1月 東京八重洲の和食料理ダイニングにて)

 

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