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筑波大学大学院 システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻:機械・土木・建築・航空・宇宙・原子力・電気・環境・エネルギー:修士課程・博士課程・追加募集
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VBL教育支援プロジェクト

身体障害者用三輪自転車を製作した感想
− 2007年度2学期受講学生の最終レポートから抜粋 −

1.  堀田氏の夢の話を聞き製作に対する気持ちが変わった。また自分たちで設計し組み立て構造計算し改良を加えていくという作業は初めての体験でとてもいい経験となった。
  もっとCADや設計に対する知識を付けてから製作したらもっと面白かったと思います。

2.  大学に入ってこのような本格的なものづくりをしたのは初めてだったので新鮮な気持ちで取り組むことができた。机に向かってする勉強も、このような実際にものづくりを通して学ぶことも大学のうちにもっとやっていくべきだと思った。将来どのような仕事に就いても、今回の実験で学んだ技術や、チームワークの大切さを知ったことが役に立つだろう。おそらく、工学システム学類の多くの人が自分に足りなかったものを一気に吸収できた、とても濃い内容の実験だったと感じたと思う。来年度からも是非続いてほしい授業だと思った。

3.  最初に実験が始まって何の説明もなしに「では作ってください。」と言われたときは、何から始めたらよいのか分からず本当に完成するのかと心配した。しかし、班のみんなで意見を挙げたり、作業している内にそんな心配は消え、設計の楽しさに引き込まれていた。じぶん一人では思いつかないようなアイデアもみんなと協力することによって出てきた。また作っていて直面した問題にも試行錯誤を凝らして解決していくのも重要なことだと感じた。堀田さんは僕らの作った自転車をご覧になって感動してくださっていた。この実験を通じてものづくりの大変さグループで協力することの大切さを学んだと思う。

4. 今回自転車を製作してみて、自分が今まで勉強してきたものを使って、ひとつの物を作ったということに感動を覚えた。今まで、小中高大と力学や数学を勉強してきたが、今回の実験では、例えば三平方の定理を使って適切なサドル位置をわりだしたり、大学で習った構造計算を用いて自転車のどの部分が弱くなるのかを可視化したりと、今まで学んだことを使って実際に問題を解決したことと言えば数値計算問題くらいしかなかったので今回の自転車製作にあたりこのような経験ができたことがすごく嬉しかったし、普段の大学の講義においても実際の使われ方を考えながら受けたりできるようになり、勉強に対するモチベーションも上がった。なので今回の実験は自分にとってものすごく意義のあるものだったと思う。

5. 始めは材料と見本だけを渡されて、本当に完成できるか不安でしたけど、班の中でどうしたらいいか話し合ったりして形が出来てくるにつれて作っていくのが楽しくなっていきました。材料に制約があったりして思うようにできず工夫してそれを乗り越えたときは特に喜びを感じました。乗る人のことを考え、足に障害がある人のことなど、普段は考えないことにも関心を持つきっかけにもなりました。構造計算ではシミュレーションでどれくらい部材がひずむか、どこの強度が弱いかがわかって面白かったです。最終的に自転車が完成したときは今までにないほど達成感を感じました。
今まで、実際に何かを作るということがなかったので、この授業で物つくりの難しさとそれを乗り越えたときの楽しさを体験することができてよかったです。

6.  定められた設計図の無い状態から自転車を作り上げる、最初は何から手をつけていいか全く分からず惑ったが、予想以上に良い自転車が出来上がって驚いた。それと共に、もの作りの大変さを痛感した。今回は堀田さんの自転車を参考にしたが、全く参考にするものが無い、0からのスタートでこの自転車を開発した堀田さんの偉大さがよく分かった。この自転車作りの経験は、もの作りの厳しさを知る貴重なものになると思う。

7. まず、この自転車の製作をするにあたってCADの製図を習った。初めて体験したので難しかったが非常に勉強になった。製作では自分たちで構造、形状、強度、乗りやすさ、安全性、見た目など様々な要素を考慮にいれなければならないと言うことでとても骨折りな作業だと感じた。しかし一度方針が決まると、楽しくて夢中で作業に没頭した。ドリルや工具など普段使い慣れていない道具も使用し、勉強になった。
良かったと思うのは堀田健一さんを知れたことである。このような障害者用自転車が存在することを知れて、堀田さんの講義では非常に感動した。素晴らしい技術者になりたいと思えた。
また、構造解析による計算も行った。難解であったが勉強になった。
新しい企画を立案し、自分で遂行するということは非常に大変ということがわかり、良い経験ができたと思う。
この実験で学んだことを基礎にして、これからの製作機会で学んでいこうと思った。

8.  グループの人数が,少し多すぎたと思う。作業中手が空いてる人が出てしまっていた。これは、作業の役割をはじめに分担がしっかりできていなかったことにも起因するが、それでも人数が多いことは否めない。
  また、AutoCADの実習があったが、あの短時間でみんなが身につけるのは少し難しい気もする。

9.  今までの他の実験では、設計図ややり方が決まっているものが多く、材料だけ用意されてさぁどうぞ、というのは初めてで、いろいろと戸惑うことも多かったし、方向性も、どのようなことが身体障害者の方に求められているのかわからなく、想像するしかなかったので、かなり手探りで進まなければならなかった。しかし、周りと協力して自分では満足のいく出来に仕上がったので、達成感はあった。
  今は、この自転車を(使っていただけるならば)実際に使っていただくのが非常に楽しみで、またうれしく思う。

10. 全くなにもない状態から自転車を作り出すことに最初は不安を覚えていたが、先生方の丁寧なご指導と班員と協力してやっていくことで素晴らしい自転車ができあがったのではないかと思う。今回の実験で印象に残っていることは最初の段階では前輪部、後輪部で別々に作り上げていったものが最終的に接合していくことによってしっかりと「動く」自転車にまで完成させることができたということである。難しかった点では、特にチェーンをつけたり、ブレーキをつけたりする作業は微調整が必要だったこともありとても大変だった。しかしボール盤で穴をあけたり、金属のこぎりで材料を切ったりすることはとても楽しかったし初めてのことだったので大変貴重な経験だったと思う。最後に、今回作った自転車が寄贈されるということで、障害者の方にも簡単に使っていただけるかという不安もあるがとても思い入れのあるものになったので長く使っていただきたいと思う

11. 障害者用自転車製作を通して、障害者の方たちの気持ちになって試行錯誤しながら製作していく過程はとても良い経験になりました。
実際に自転車を製作することは、非常におもしろかったのですが、やはりアルミの棒を切断するなど力仕事は女子である私にとって非常に困難であったし、すぐに疲れてしまって悩んだこともありましたが、だったら構造解析などその他の作業をがんばろうと前向きに実験をすすめることができました。
そしてやはり堀田さんはすごいと思いました。いろいろなアドバイスを下さってとても感謝しています。
今回の私たちの自転車はサドルの部分の強度がとても強くて、その点はよかったのだが、実際、乗りごこちなども考慮してつくることはとても難しかった。

12. 今回の実験は今まで学んできた事を生かしたり、CADのように新しいことを学んだりと、新鮮な上にとても楽しくできた。人に乗ってもらったときのことを考えて作ったり、駄目な所を探したり、指摘されそこを修正するなど、普段経験しないことを班のメンバー全員で一緒に考えて一個ずつ解決していけた。
特に、私の班は最初にテーマ『デザイン性のある自転車』と決めて、それに向かってどんな自転車にするか考えていったので効率もよかったと思う。
今回作った自転車は、寄付されると聞いたが、ぜひこの自転車を好きになって喜んで使ってほしいです。自分たちが悩みに悩んで作ったこの一品は、結構いい出来だと思います。

13. 今回の自転車製作はとても楽しんでやれた。私は編入生なので同じ専攻の人たちとほとんど喋ったことがなかった。しかし、今回の実験を通して数多くの人たちと話をすることが出来た。
私は高専では5年間、機械工作実習を学んだ。それを今回思う存分に生かすことが出来たと思う。また、久しぶりに工作機械に触れたのはとてもうれしかった。
今回は第一回ということだったが、回を重ねるごとに先生たちが様々な改善をしていただいたのにはとても感謝している。

14. 今回の踏み込み式三輪車製作は最初は部品のバリエーションが少なく製作の幅があまり無いように感じられたが、最終的には部品も使える道具も充実していきとてもよい環境で製作に取り組めたと感じる。3学期から製作に取り掛かる人たちは2学期の班より、効率的にいいものを製作できると思う。
  設計図を描くことからでなく最初から部材を加工していくのは抵抗があったし、無駄になってしまった部品もあったので少しづつでも設計図を作りつつ、加工をすすめればよかったと思う。最終レポートのときのCAD担当者が負担が大きすぎることになるのも問題だと感じた。またCADの扱いは難しい点があり、最初の設計の手順の仕方のほかにレイアウト図面の作り方や、尺度の調節の仕方、注意事項などもプリントとして配ってもらえれば班全体のCAD習熟率が上がると思った。CADの図面が作った人によって形式が異なってしまったし、ほとんど全部忘れてしまった人も出てきた。製作は改善するべき点はできるだけ直したつもりであるが、堀田さんに指摘されたハンドルの位置や角度や改善する余裕がなく終わってしまった。また屋外で試走する時間も、改善に当てていたので屋外で乗った場合の出来に不安が残る。
  構造解析の仕事は、環境主専攻の人が率先して引き受けてくれたのはよかったと思うが逆にエネルギー主専攻の人が構造解析についてなにも知らないという事態にもなり1人くらいはエネルギーの人も構造解析をして知らない人に説明できるようになっていればよかったと反省する。
  製作や最終レポート製作を通じて、班の人とのコミュニケーションができ新しく友人になれた点は多くとてもよかったと思う。また人が多い分、仕事の割り当てや連絡の難しさもあったがそれもこの実験のやりがいにつながっていたと思った。

15.  今回の実験で堀田さんの存在を知ることによって、自転車の新たな可能性を見た。日々生活をしていて障害者のための自転車など思いつきもしなかった。堀田さんの障害者のために自転車を作りたいという熱い想いを感じ、僕らの自転車製作が始まった。物作り自体始めてで、しかも踏み込み式という僕らにはあまり縁のない自転車。模倣するものもなくすべて自分たちで考え作り上げていく。途中何度も失敗に気付き、何度も試行錯誤を繰り返した。1人が意見を言えば、みんなで考えた。みんながいるから少しずつ少しずつ事が進んでいった。アルミの棒が僕らの手によって命を吹き込まれた。完成して走り出したときの感動は忘れられない。こんなに楽しいものとは思わなかった。
  構造解析、CADでの設計図の知散、ただやみくもに作るだけでなく、工学的に完成された。まだまだ安全面、機能面などにさまざまな改良点があるが自分たちには納得するものができた。この実験を通し、今まで学んだものと違う方向性の工学もあるのだと知った。自分ももっと幅広い視野を持つようにしようと思った。実際に作るという経験を得ることができて、とてもためになった。この自転車が預けられる施設に訪問し、僕らの作ったものが意味のあるものだったということをこの目で見たいと思った。

16.  今回の実験が始まる前、一番気にしていたことが、他のメンバーと上手くコミュニケーションがとれるかということだった。自分は人見知りするほうで、メンバーもほとんど知らない人たちだったので大丈夫であろうかと不安であった。しかし、いざ実験(製作)が始まってみると、他のメンバーともすぐに打ち解けることができて、互いに意見を言い合ったりできるようになり、同時に他人との共同作業の重要性を認識することができた。これは自分の今後にとって、大きなプラス要因であったと思う。
  今回の自転車製作を通して、自分だけではなく、利用者(今回の実験では自転車に乗る人々)のこと考えるということが、技術者には必要不可欠であるということを学んだ気がします。「こうすれば、乗り手にとってよりよいのではないか」などと考えることによって、より良いものを製作することができ、社会への大きな貢献へと繋がると感じた。同時に、色々と思案することによって、自分の前に存在する「問題」を解決するための考える力を、多少ではあるが向上させることができたと思う。問題解決能力は今後の自分にとっても必要不可欠なものであるのでもっと向上させていきたい。
  もうひとつ、今回の実験を通して学んだもう一つのこと。それは、「計画性」がいかに重要であるかという点である。自分たちの班は、はじめ、とりあえず見本の自転車のような形を目指そう、と特に考えもせずに作業に取り掛かってしまった。このため、チェーンの問題点が発生してしまったり、多くの材料を無駄にする結果となってしまった。これらのことを踏まえて、今後何かを製作する際には、まずはじめに、ある程度の計画・方向性を定めてから作業に取り掛かれるように心掛けたいと思う。
  最後になったが、実際に自転車を製作してみて、結構楽しむことができたと思う。はじめは「何が楽しいのだろう。」などと感じていたが、自転車がだんだんと形になっていくとともに、色々と考え・作業をすることが面白くなっていった。結果的に「自転車の製作」を楽しみ、自分にとってもプラスのものにできたのは良かったと思う。

17.  今回の実験で、初期設計の大切さを感じた。その場で考えながら進めても、うまくいかないことが多くあり、無駄な作業も多くなってしまった。しかし、問題が発生するたびに、班員みんなで考え、解決していくという楽しさを感じることができた。また、完成しても、実際に乗ってみると、想像していた動きと違っていたり、改善点が多く見つかったりと、実験、試走の重要さを感じた。実際にものを設計し、創作するということを経験できたことは、今後の自分にとっても大変プラスになると思う。

18. 今回の実験を通してものづくりの大変さとたのしさを感じることができ、またものづくりにおける技術的な学問の必要性を感じた。また、グループ作業ということもありコミュニケーションのとり方についても学べて有意義であったと思う。

19.  最初は、正直自転車を作れると思っていなかった。しかし、完成品をみながら部品を一つ一つ作っていったら、自転車の形らしく日に日になっていったのがおどろきである。やはり、ものづくりはまず「してみよう」という気持ちが大切なのであろう。
  ただ、残念なのがもう少し計画的に製作していれば、もっとよいものができていただろう。この反省をいかし今後の飛行船実験や卒業研究にいかしていきたい。

20.  今回の自転車製作を通して、1つの「もの」を作るということは非常に大変で、また繊細な作業を要するということが分かりました。特に穴あけやアルミ板の切断において、最初は機械が無かったためにノコギリなど手動で行ったのは、とても大変でした。
  今回の自転車製作は、グループのメンバーと協力して作業を進めることができ、完成したときの喜びはとても大きかったです。仲間と協力して作品を作り上げる、ということを学ぶことができ、とてもいい経験になったと思います。そして僕のグループの作った自転車が、ぜひ施設などで使われて欲しいです。

21. グルーフワークで、1つのものを完成させるという、貴重な体験できてよかった。
協調性・自主性と行動力・問題解決能力が身についた気がする。
3学期は飛行船の製作になるが、新しいメンバーと協力してやっていきたい。

22.  今回の実験は今までになかった要素が多く、とても新鮮で、ものづくりの楽しさのようなものを思い出させてくれるような実験だった。普段の実験よりもさらにチームワークが求められて、班内の連携も回を重ねるごとに良くなっていくのがわかって、そういった意味でも楽しく製作ができたと思う。
  実験でやった内容としては、まず最初のイントロダクションで見た堀田さんのビデオがすごくモチベーションになって、実験に真剣に取り組もうという気になれた。最初は実験の全体像がつかめず、何をすればいいのかわからない状態のときもあったが、慣れてきたら自分の制作意欲がみるみる湧いてきて、3時間があっという間というときもあった。一番のモチベーションになったのは、自分たちが作った自転車を、知らない人たちが乗ってくれるかもしれないということだった。だから危険がなくて誰にでも乗れるような自転車を作ろうという気になれたのだと思う。
  この実験をやって1番よかったなと思うことは、堀田さんのような方の仕事に少しでも触れることができたことだ。利益を中心にものを製作するのではなく、堀田さんのように人の役に立ちたい、人の笑顔を作りたい、といったような仕事をしている方と実際に触れ合う機会を持つことで、自分も将来ああいう人間になりたいなと感じることができたからだ。今回の実験を通して、そのことを学べたことが1番の収穫である。

23.  最初は自転車なんか作れるのだろうかと思ったが、班のみんなと考え協力をすれば思っていたよりも大変ではなく、製作が進むにつれて色々な意見が出て、考えながら楽しく製作することができた。
  また、ものを作るにあたって大事なことは誰が、何のために使うのかをよく考慮して製作しなければ、それはただ作っただけで消費者には使ってもらえないのだということを改めて感じた。

24. 2年生の計測工学の授業中に榊原先生が「来年度の実験では自転車を作ります。」とおっしゃっているのを聞いて自転車好きの私はこの実験をとても楽しみにしていました。CADによる製図も初めての経験だったのですがライティングソフトの素晴らしい機能に感動し、また今後役に立つ実践的な知識も身についてよかったです。
製作も班のみんなで力を合わせてただの棒や板だった部材が徐々に自転車になっていく様子がうれしくて、毎週この実験の時間を楽しみにしていました。強度を上げるための改良を加える時に構造力学や材料力学の知識が役に立ち、勉強したことを活かせたこともよかったです。欲を言うともう少しパーツ(特に角材同士を接続するパーツ)の種類が多ければもっといろいろな形の自転車が出来ておもしろいのではないかと思います。

25.  実験の初回、先生方から説明を受けた後、特に指定もないまま「踏み込み式の自転車を作ってください」と伺ったときは、何をどうすればいいのかわからず、完成の様子もまったくイメージできずに戸惑った。どんな形にするかは大きくもめた部分でもあった。最終的に4班はバイク好きが多かったことと遊び心を持った者が多かったことで、あの特徴的な形が生まれた。
障害を持つ事によって、彼らはどうしてもデザイン性を後回しや諦めたりしなくてはならない環境にあると思う。ユニバーサルデザインが世の中では進められているが、なかなか思ったデザインのものは無かったり、使いにくさが残るものが多かったりと、問題を多く抱えているからだろうと思う。しかし、健常者と同様に、デザインに凝った物を使いたいという欲求は必ず有ると思う。自分が障害を持っていることを感じさせない使いやすさや機能があることはもちろん、健常者も使ってみたいと思わせる程デザイン性の高いものこそ、ユニバーサルデザインとして優れたものだと私は考える。その上で、バイクをモデルとして「カッコよさ」に注目して作ることには大きな意味があったと思う。
この実験では、今までの実験や授業では学ぶことが出来ない、様々なものを学び取ることが出来たと思う。授業で学んだことを生かせる場面があったり、今までの実験と違って、実際に自由にものづくりが出来たりしたことは、とても面白かった。また、必要としている使い手のことを考えながらものを作るということが、いかに難しいか実体験で知ることも出来た。こんなに自由に何かを作ることが出来る機会はなかなか無いので、とても楽しかった。また、知能・機能主専攻の友人たちにも、少なからず影響があった様で、ものづくりについてよく話すようになる等、いい影響があったと感じた。
私たちの班は、チームワークもよかったのではないかと思う。大まかな形が決まると、自発的に自分がどのパーツを担当するかを決め、うまく分担されていた。各々の意見がうまく反映された自転車が出来たと思う。
自分たちが考えた形が実際に仕上がっていくのを見て、次回の実験が楽しみになったし、完成して実際に道を走るのを見て達成感を感じたのと同時に、とても嬉しかった。この実験で初めて話す人ともいろいろな話が出来たし、とにかく面白い実験だった。

26. ・製作初期
第1週の製図の練習は、この回製図の基本の練習だったが、将来的には役に立つのかも知れないが、この実験中には活かす場面が無かった。
手順としては、全体的な構造の設定→各部品のサイズ→CADで製図→構造計算→工作という順序を取って、確実に物を作る達成感を最初から最後まで感じられ、大学レベルで有意義な実習なのだろう。ところが、参考になる見本が現実に作る時の部品の間に結構違いが存在し、サイズの設定や構成・各部品の接合方法など完全に手探り状態だった。結局、適当に大きさを決めて部材を切り貼りし、都合の悪い部分は削ぎ落として辻棲を合わせるといった。それでも、物作りの難しさがしみじみに感じたし、堀田さんの設計現場などは一体どうやっているのだろうという好奇心は湧いて来た。
・製作プロセス
皆が自分の得意な所に特に力を出し、仕事の効率性を重視していたような気がする。サドルや後部の接続などは、A君とBさんの傑作であるが、作りながら考えたようなものだ。幸いなのは案外良い形にはなった。
・改良
試走する時、やはり色々な問題が出てきて、良かったのは皆が心をそろえて、すぐに対策が出せることだと思う。
・完成後
完成した自転車にはある程度、設計思想が反映できた。また、この実験から共同作業の大切さを知った上で、工学者としての達成感も満ち溢れてきた。この実験をやって、本当に良かったと思う。

27. ・製作初期
第1週の製図の練習は、将来的には役に立つのかも知れないが、この実験中には活かす場面が無かったように思う。
手順としては、全体的な構造の設定→各部品のサイズ→CADで製図→構造計算→工作という順序をとると思っていたし、それが大学3年レベルで有意義な実習なのだろう。しかし、作り始めるにあたって見本はあったがそれしか参考になるものが無く、サイズの設定や構成・各部品の接合方法など完全に手探り状態だった。結局、適当に大きさを決めて部材を切り貼りし、都合の悪い部分は削ぎ落として辻棲を合わせるといったまるで小学生の図画工作のような事態になってしまった。それでも、ものづくりの難しさの片鱗は見えたし、製造業の設計の現場などは一体どうやっているのだろうという好奇心は湧いた。
・製作途中
特徴的なフロントのデザインは、メンバーの同意もあってその事でもめる事は無かった。むしろ面白がって協力し合えたようだ。
サドルや後部の接続などは、作りながら考えたようなものだが幸いにも形にはなった。
進行を纏めるPM的存在の必要性を感じた。なかなか自分からは引き受けられないものだろうが。
・構造計算
ソフトの使用法が解るまでにも時間が掛かったが、やはり各点の入力は大変な手間だった。また参考接点の問題で(デバッグするまでどうにもならなかった)、結局計算出来るまでに9時間経費やした。
・プレゼンテーション
要点をはっきり伝え、かつ特徴とユーモアを持たせる事を目標とした。またメンバー参加型にすることで、チームの主体意識とプレゼン効果を持たせようとした。もしあの場に居た中に覚えてくれている方が居れば、まずまず成功だと言える。
・改良作業
実地のテストにより、漕ぎ辛さやペダル部の弱さなどがはっきりした。スロープを本気で登ろうとした偶然性もあった。すぐさまメンバーから対策案が出て行動できた事は良かった。
・完成して
設計思想をデザインにある程度反映できたことと、協業しやすいチームだった事には多少満足している。惜しかったところは、各部の剛性・強度が計算上はともかく、実際乗ってみると不足気味であるところと、補強板の切り方などが無骨になってしまったところだ。全体的に方法としてはそう間違っていなかったと思うので、今後は作業管理や丁寧に造り上げるところなどを意識してやっていけば良いと思う。

28.  実際に自転車を設計し作ってみることで、ものづくりのおもしろさを感じることが出来た。自分たちが作製した自転車が実際に使用されることは想定外であったが、一般の人に使われるならば非常にうれしいし、ものを作るには責任を持って作らなければならないということを考えさせられた。
  堀田さんは利益を目的とした仕事をしているわけではなく、依頼を受けた人それぞれに対しその人に合わせた自転車を作っている。これは普通の人にはできることではなく、まさに技術者の鏡であると思う。

29.  堀田さんの自転車を参考にして、設計図をきちんと作らないまま自転車を製作し始めたので、作ってみるとかなり長くなってしまった。まず、設計図をきちんと作り、全体図を把握したほうが良かったと思う。また、だれがどこを作るかを決めていなかったので、作業効率が悪かった。始めはのこぎりで部材を切っていたが、後半は電動のこぎりが使え、効率よく作業が進められた。試乗走行でペダルの強度不足が発覚するなど、製作後の試験が大切だということがよく分かった。自転車作りを通して、設計図及び全体図の把握が大事なことが分かり、作業分担、作業工程、試乗試験などの重要性がよく分かった。また、構造解析によって得られた結果が実際の結果とは異なることが分かり、実際に測定する必要性があることが分かった。今回の自転車はかなりお金を使ったらしいが、無駄を省き、材料の価値を理解するために各班でどれだけの材料を使い、いくらお金をかけてどれだけのものができたのかを考えることも必要だと思った。

30.  経験をつめたいい機会だった。これだけ予算に際限のなく自由に物を作ることができるのは最初で最後であろう。始めの頃は設計図もなく、知識もなく、ただアルミ材を渡されて「作ってください」と言われて戸惑いがあった。それが作ることへのわくわく感に変わったのはメインフレームの形が決まったときだった。決定したのは一週日。これがもめた。A5班の進め方は大体、C君が大まかな構成を練り、他の人がアレンジを加えながら部品を作るというものだったが、始めにC君のあげたフレーム実は反感をかっていた。理由は当時は今ほど学校から配付される部品が少なくて実現できないと予測したからだ。そこで、先生に発注していただくという作戦を取り(おねだり)無理やり彼の案でつきすすんだ。
  始めはチームワークのない班だったが、フレームが完成してからは意外と息が合っていた。役割分担ができてきたからだと思う。また意見を言うことをためらわない両手がそろっていたため、議論も頻繁に交わされお互いの思いがここかしこにつめられ、作ることの楽しさをわかってきたからだと考える。
  以上が班員のはなしで、ここからは私の話をする。班員唯一の女性だったのだが、申し訳ないほど力がなかった。のこぎりも鋸も人の3倍かかる。そこで作業よりも、レポートの作成に力を入れることにした。図面や紹介文、全体像はすべて私の作成である。作業では役立てなかったが、班員の役に立てるよう自分なりに頑張るということを学んだ。ちなみにはじめてのCADも楽しかった。
  一番うれしかったのが、班員のみんなが自作の椅子を認めてくれたとき。堀田氏が椅子を作ってくださると聞いたときにすでに私の班は椅子ができていた。「絶対取り外される」と思ったが、班のみんなは「このままでいこう」と言ってくれた。本当にうれしかった。
  完成品はこの先誰かが使うらしい。一日でも長く使っていただきたいと願う。

31. メンバーの作業分担もよく、非常にテンポよく作業が進んでよかった。要求した部品や材料が随時追加されるのもよりよいものをつくるうえで大いに役に立った。前半ではなかったボール盤やベンダーも追加され、後半、来年ともっとよいものが作れるのではないかと思った。本格的に役割を上手く分ければ横方向の荷重への構造解析も可能ではないかと思った。まだ予定は分からないが、寄付されることになったら是非寄贈先に出向いてみたい。

32. まったく設計図もない状態からこんな大きなものづくりをするのは初めての経験で、当初は完成図を想像もできなかったが、今、完成した自転車を目の前にすると、充実感と達成感を感じる。
また、自分たちが作ったこの自転車が、誰かの役に立つ可能性があることにわくわくしている。

33.  当然ながら、初めて自転車を作ってみて、ほんとに作れるものかと思ったのだが、なんとかちゃんとした自転車が出来てよかったと思う。ただ、やはり中間発表後の補強は結果的には完璧ではなく、もっと時間があれば別のやり方も考えられたのではないかと思う。上で述べたような、全体のバランスや、補強することにより増える重さ、形の変形など、考慮しなきゃいけないことが多いということが分かった。今回作った自転車は、養護施設に寄付されるのだが、すべての自転車で、後進ができないので、実際に使うときになにかと不便ではないかと思う。次回の来年も自転車を実験で作るのであれば、ちゃんと後進も出来るような作りにするといいと思う。

34.  自転車作りを通して、物を作ることの大変さをわかった。個々のパーツを作っている段階では問題がなかったが、組み立てていくと、それまで問題がなかった箇所が不具合を生じたり、また実際に試乗して新たに問題が生じるなど大変だった。
  堀田さんは、この三輪自転車を障害者の方一人一人の身体に合わせて作っており、さらに予算度外視で障害者の方に喜んでもらえるようにしていることに、職人の魂を感じた。将来、もの作りに携わる職につくことになったなら、堀田さんのような素晴らしい気持ちを持ちたいと思う。

35. 実験の結果が形として残るため、達成感が大きく感じた。体の不自由な方を対象に考えたことによっていつもと違った視点が持てて新鮮だった。授業に関しては毎週新たな部品や機器が増えたりして少々面倒臭く感じることもあったが、毎週楽しみな授業だった。

36.  考えたコンセプトに沿って作った結果、それによって問題が発生したり、デメリットが発生したりすることがあった。設計の段階でもっといろんなことを予想して構想を考えるべきだったが、それがとても難しかった。比較的複雑な構造の自転車になったが、複雑にすればするほど誤差も大きくなる可能があることを知った。また、複雑であるため改良していく際の解体が非常に大変なものとなり、予想以上にそこで時間を使ってしまった。二つとも設計の際には想定していなかったことであった。
  作業の面では、連携や協力が大事であることがわかった。実際に自転車にとりついて作業できるのは4,5人が限界であり、他の人は部品を加工したり、CADの図面を作ったりしなければいけない。自分の班は、このような仕事の分担が上手くできて比較的に効率良く製作ができたと思う。また、班員全員がどのようなコンセプトで、どのような意図で自転車を作るかを共通させておかなければいけないことも実感した。

37.  班の皆で一から考えて、部材を切って組み立てて、完成したときの充実感は大きかった。やはり、頭はモノづくりを通じて使ったほうが有効であり、脳も活性化すると思う。三輪自転車製作は初めての試みで、部品が揃っていなかったこともあったが、逆にそれが自分たちで考えることの必要性を感じ、よかった。自分が教官にお願いしたバネ座金にしても、悩んだからこそ出てきた考えであった。
  この数ヶ月間の自転車製作で、協力してモノづくりをすることの楽しさ、考えてモノづくりをすることの楽しさを教えられたような気がする。これからもこの自転車製作の授業を継続していただきたい。

38.  今回の実験は、今まで私が経験した実験とは、全く異質なものでした。今までの実験は正直、受動的な実験でしたが、今回の実験は能動的な実験となりました。また、私は今まで、「モノ作り」というものを経験したことがなく、どのようなことなのか分かっていませんでした。しかし、今回の実験で、簡単ではありましたが、その一部を体験することができました。
  また、今回の目的である、「障害者の方のための自転車を作る」ということですが、約20年間生きてきて、私はそのようなことを考えたこともありませんでした。私にとって自転車とは、健常者が乗るものであって、「足が不自由な方」と「自転車」はどうしても結びつきませんでした。しかし、今回の実験を通して、その認識が間違いであることを実感しました。このように、常識を壊し、新しいモノを作り出すというのは、昨今で話題になっている、「ベンチャー」の本質なのではと感じます。そういった意味でも、堀田さんはすばらしい工学者であると思いました。これからの工学者人生で、この「三輪自転車作り」で得たものを生かしていきたいと思います。

39. 本実験を通して学べたことは多い。障害を持つ方向けの自転車を作るという考え方自体以前の私には考えつかなかった。一般向けの自転車に比べたら絶対的なニーズは少ないだろうが、ゼロではないし、何よりも障害を持つ方にも自転車で風を切る喜びを感じて欲しいという堀田さんの考え方にとても感動した。これから堀田さんの自転車が世間に知られるようになれば、まだまだニーズは増えるだろう。
また、目標を設定し現状へ逆算して考えるという考え方の重要性を身をもって知ることができた。工学者としてだけではなく、どんな職業に就いたとしてもそれは重要な考え方であろう。

40. 今回自転車の製作を自分たちの力で行ったわけであるが、様々なことを学んだ。まず、材料力学などでどのような構造が最も強いかということを学んでいるのに、現実にはその形にするのが困難であるということが分かった。現実問題を初めて実感しました。また、今回は製作が先になってしまい、CADでの図面が最後になってしまいました。今後製作する時には、CADで図面を完成させてから、それに合わせて自転車を製作したいと思いました。組み立てる際も、どこを先に組み立てたら良いか、どこにバネ座を入れた方が良いかなど考えさせられるところはたくさんありました。設計者はただ単に最も強いものを考えるだけではなく、製作のし易さや汎用性なども考えて設計しなければならないのだと思いました。大学生活だと知識だけで現実問題にまったく直面しないので、技術面についても学ぶことができてとても良かったと思いました。この実験を通して、学ぶということの重要さだけでなく、考えるということの重要さも学ぶことができ、とても自分のためになった気がしました。

41.  他の実験の実習と異なり、自分たちで話し合い一から物を作っていかなければいけなかったので大変ではありましたが、とても有意義な体験であったと思います。この実験で一番感じたことが話し合うことの重要さでした。一人ひとりでは思いつかないような考えもみんなで議論しているうちに生まれてきて、問題を解決することが出来る場面が何度もありました。また、各個人がどの部分を製作して、どの程度はかどっているのかを報告しあうことで、各々が次にどの部品の製作に移ればいいのか考えて行動することがでるようになり、作業の効率化にもつながりました。
  また、今までに今回の自転車ように実際にものづくりをする機会がほとんどなかったので、自分たちで設計から製作まですべてをしなければいけない大変さを痛切に感じました。自分たちではうまく作ったつもりであっても、実際に走らせてみると強度が不十分で部品が破壊してしまったり、揺れがひどかったりといったことがあり、何度も試験を繰り返して問題点を探さなければならず、非常に手間がかかる作業だと思いました。

42. 今回のように1からものを作ることは初めてだったので設計からのこぎりでの切断まで、知らないことや間違ったこと、上手くいかないことが多く大変だった。しかし、これから社会に出て働いていく上で、このような設計し製作する能力は必要でありその練習ができたことはとても有意義だったと思う。なにより三輪自転車の製作はとても楽しかった。
反省点としては最初から計画的に作業することができず行き当たりばったりになってしまった感があることである。ただ見方を変えれば臨機応変に対応できたということでもあるのでこれはこれで良かった所をあったと思う。もし、次にまたこのような機会があったら計画性と臨機応変さをうまく混ぜながら作業をしていきたい。
また、今回は高専上がりの人達の実力を見せつけられた実験だった。工作の仕方から構造解析までこの人達に引っ張ってもらったようなもので自分の実力不足を感じた。この人達に負けないようにこれから努力していきたいと思った。

43. この実験では、ものを作る楽しさを改めて感じた。特に何人かが協力してひとつのものを作りあげるということが自分にとって新鮮であり、チームで一つの製品を作るという、難しさや醍醐味を体験できた。
たとえば製作途中で何か問題にぶつかったときに、各々が課題解決に向けた意見を出し合い、より最適なものへと集約していくといった過程では、「こういう考え方、方法があるんだ」と驚くこともしばしばであった。
ただ、チームでものをつくるというプロセスでは、ひとりで作るという時に比べ斬新で突拍子もないアイディアが淘汰されやすいとも感じた。これは今回僕らの班の自転車では顕著に現れていて、よくいえばシンプルで洗練されているが、悪く言えば面白みのないデザインである。
単に最適なアイディアをとりいれるだけでは遊び心が失われ、面白みのないものができてしまう恐れがある。独創的な考えも必要であると思った。

 

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