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筑波大学大学院 システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻:機械・土木・建築・航空・宇宙・原子力・電気・環境・エネルギー:修士課程・博士課程・追加募集
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VBL教育支援プロジェクト

自律飛行船を製作した感想
− 2007年度3学期受講学生の最終レポートから抜粋 −

(1)今回の飛行船実験において、ものを設計、製作し、実際に動かしてみることで発生した問題点を解決していくという、将来会社等で製作の現場に携わる際の、基礎となる考え方を学ぶことができたと思います。
飛行船という流体は、非常に制御が難しく、理論どおりのプログラムを組んでもいざ動かしてみると、外気などの外乱や、場所による地磁気の微妙な差によって思い通りの制御ができないことが多くありました。その度にプログラムの改良、フィンの製作、機体の軽量化など試行錯誤しながら、班のメンバーと協力して改良を進めていきました。このようにチーム全体で考え、実行していくというプロセスは、企業に入って何かを設計していく上で大変重要だと思うので、とてもいい経験になったと思います。

(2)入学してから、一番楽しい実験を正式な学生時代の最後に体験できました。この実験を設計していただいた先生たちに真に心から感謝しております。
特に、鈴木先生の最後の話を聞かせていただいて、本当に勉強になりました。実験の本質を始めて悟りました。物事の考え方が現実になっており、周りの全てを具体化に、数字化にしてします。またの習慣によって、自分の生活の全てをモデル化にして、生活の中から何らかの規律を探り出し、もとても効率的に送れるようになりました。鈴木先生の話を聞いて、初めて、今までの生活をちゃんと定義できるようになりました。とにかく、今までの三年間に有意義に送ったと思います。

(3)私にとってこの実験はとても刺激的なものになりました。大学生になってから多くの実験をやってきましたが、本実験は唯一「他班との競争」という要素が含まれていたからです。また、飛行船のような慣性モーメントがかかりやすいものを制御することの難しさや、垂直尾翼の重要性など普段知りえない要素を興味深く学べる絶好の機会となりとても良い経験になったと確信しています。

(4)この実験で、制御をすることがどれだけ難しいか分かりました。磁気センサにより曲がってほしい方向と時間を与えても曲がってほしいときに曲がらず、早めに曲がってしまったり、曲がらず直進してしまったりしてうまく制御できない。先週と同じはずなのに、先週うまくできたことが次の週にはできない。どこが悪いかが分からずに鉛の位置などを変えてみるがうまくいかないことがあった。イージス艦と漁船との衝突のニュースを見ても、流体中での制御は難しく、すぐに反応することができないということがよく分かった。
機体を製作した部屋でヘリウムを入れて、膨らんだ機体が体育館に運ぶときに萎んでしまったときは、どこかに穴があいたのかと不安になった。室温よりも外気温の方がかなり低いので萎んでしまうことは考えればすぐに分かることだが、外にもっていくと温度の関係で機体が萎んでしまうと一言かけてほしかった。プロペラを固定する棒は一本しか使えないということだったが、使える棒の数を増やすか、棒の材質を変えるかしてプロペラの推力をもっとうまく機体に伝えられるようにしたほうがいいと思う。プログラムの説明とマイコンなどのコードの接続の方法はもう少し詳しく教えてほしかった。マイコン等を乗せるトウフ箱ももっと丈夫で、磁気センサや超音波センサが取り付けやすいものにした方がいいと思う。

(5)今回の実験を通して、制御の難しさ、機体設計時の細部の値の決め方など、多くのことを学んだ。機体設計、尾翼の設計など、慎重に行わないと、うまく飛行ができず、コースをゴールできないということも起こった。そんなとき、その場でアイディアをみんなで出し合い、問題を解決するということは、とても勉強になった。いろいろな意見もあり、みんなの意見を聞いて、機体、尾翼の形状等を決めるというプロセスは今後の自分のためにもプラスになるのではないかと思う。

(6)今回の実験から、理論を覚えるのと実際にその理論を使用することとの間には大きな隔たりがあり、理論だけでは実際に物を作るエンジニアにはなれないのだと実感した。
  実際に、飛行船は思ってもいない動きをし、同じ条件のはずでもなぜだか前回と違う動きをしたりと、非常に困惑させられ、幾度も試行錯誤を繰り返させられた。
  結局、完全に理論を実践に移すことはできず、協議の成功には大きく運の要素が絡んでいたが、競技の結果としては好タイムが残せたのでうれしく思う。

(7)飛行船の実験を通して、制御の難しさを実感しました。理論では、粘性を無視したり、定常流にしたりして、計算式を簡単にしているため、本来なら複雑で制御によって安定化できないものも制御できると思い込んでいました。しかし実際の現象は様々な影響を無視できないため、制御しようとはしているのだが、船体は思うように動いてくれず、飛行させるたびに毎回違った動きをしました。直進させるにしても、飛行船の浮力、外乱、温度、尾翼の形状、バッテリーの容量など時間によって変化する様々な要因で動きやスピードが変化しました。そこにこの実験の面白さと難しさを感じました。2番目の競技からはモータを5個搭載して競技にチャレンジしたが、モータを搭載すれば搭載するほど、出力はでるようになるが様々なモーメントが発生し、制御しづらくなってしまうことが分かった。また船体の前後が上下に揺れながら飛行していたのを観測できたことから、それが、飛行船に安定性がなく、うまく制御できない原因であると判断しました。以上のことより、もし次回また同じ実験をやれる機会があれば、モータを8個搭載して、浮上用に2個、推進用に6個を使って、それぞれマイコンによって別の操作を出来るようにプログラムを組み、定常的なモーメントの釣り合いだけでなく、プロペラを回したときのモーメントの釣り合いも考えながら設計をして、スピードだけではなく、同じコースなら何回やってもゴールできるような安定性のある飛行船を製作してみたいと思いました。

(8)この飛行船実験で、自分たちで一貫して機体の設計→製作→試験→考察→調整→試験→考察→調整…をすることにより、計算上ではわからないようなことを試験することにより理解できるようになった。実際に、飛行船を飛ばす前までは、制御さえうまくすれば大丈夫だと思っていたが、さまざまな要因が重なることで、思うように動かせないということを実際に経験してみてわかった。また、ひとつのものをつくるためにいろいろと試行錯誤をする苦労さや、楽しさなどをわかることができた。

(9)機体のデザインから製作、実際に制御まで行えたことはとても勉強になりました。実験の中で流体の特性や飛行船の制御の難しさを実感しました。グループで目標に向けて、その場で工夫改善しながら取り組み、結果として一番早いタイムでゴールできたことはとても達成感がありました。

(10)今年度からの試みである本実験は従来の実験とは違って実際に大枠は自分たちで考え、実行できるので毎週楽しみな授業だった。飛行船の形状に始まり、制御に至るまで各班が個性を発揮していたように思う。うまくいかないと班員で解決策を話し合い、試行錯誤の繰り返しだった。自分の意見を言ったり、他の人の意見に新鮮さを覚えたりもした。競技の目標を達成するための解は一つではなく、何通りもの解があった。普段の授業や実験では得られない問題へのアプローチの方法や色んな視点を学べたように思う。

(11)飛行船をつくることは自分にとって始めてのことだったが、大きな問題もなく最後まで実験を進めることができた。エンベロープを作ったり、制御部を作ることは比較的スムーズにやることができた。難しかったのはやはり制御の部分であり各競技によってプログラムを変える必要があったので時間がかかった上に、プログラム通りに動いてくれなかったりといい記録をだすのに苦労した。直線の動きだけでもどんどん横にずれていく上に、90度回転するときもいいところで曲がらずに、角度がずれてしまった。上下の動きの制御は特に苦労したところでなかなかおもうように高度を調節することができなかった。何度も飛ばすことでうまくゴールまで制御できたのもあったが、大半は失敗に終わってしまった。飛行船の動きは流体力学によるので制御がなかなかうまくいかないとのことであったが、それをあらためて実感した。しかしプログラミングすることである程度飛行船を自在に飛ばすことができたのはとてもいい結果だったと思う。

(12)今回の実験は学ぶというより遊んでいるという感じがした。良い意味で。
制御に関しては、プログラムや機体をいじらなかったとしても、毎回同じ動きをする訳ではなかったので非常に難しいと感じた。しかしまた、機体のくせや性質が分かってくると、その難しさが面白さへとなっていった。
体育館は3学から遠かったが家から近かったので個人的にはよかった。

(13)まずこの実験を行ってみて思ったことは、理論通りにいくことはほとんどないということである。プログラムは絶対に間違ってはいないはずなのに、なぜか目標とは違う方向へと飛んでいってしまうことが多々あった。それは、飛行船に取り付けたセンサの位置やプロペラの動き、尾翼の違いなど様々な要因が飛行船に関与しているためであると考えられる。それゆえ、試行錯誤を繰り返し、思い通りに飛行船を飛ばしたときの感動は大きかった。
また、現実の世界ではこのようなシミュレーションだけでは分からない部分が多々あるだけに、実際に行う実験の重要性を感じることができた。工学の分野においては、シミュレーションと実験のバランスが大事であるといえる。
実験自体のレベルとしてはプログラムを少し変えるだけであったため、少し易しい気がした。しかし、飛行船の製作から競技までのことを考えれば、時間的にプログラムから考えている時間はないので、ちょうど良かったといえる。楽しく実験できたことも良かった。

(14)回を重ねるごとに制御がなんとなくではあるが、上手くできるようになっていったと思う。最初は直進すらなかなか上手くいかずにゴールできなかったが、最後の授業の測定では直進のスピードも安定感も向上したと思う。高さの制御用のモーターを推進用につけて測定したときは結局スピードが出すぎて上手くいかなかったが、これを最初の直進測定で行っていたらもっと良いタイムが出ていたと思う。最初からまた同じ測定をそれぞれやってみたら、もっと良いタイムがそれぞれ出ると思う。
  また、飛行船は最初に作ってから最後まで壊れることなく使用できたので、製作面では上手くできた。しかし、球に近いものになるよう設計してみたつもりだったが、結局他の班と比べると流線型に近いものになってしまった。もっと球に近くて小さめのものに設計すべきだったと思った。


(15)今回の実験は、前回の自転車と違い、空気の抵抗が大きく影響するので、そこを考慮する必要があった為、多少大変な面がありました。特に自分の班はエンベロープの形状抵抗が大きく、手で投げてみると真っ直ぐ飛びませんでした。何とか制御でカバーできたのでよかったです。
プログラムに関しても、実験を始める前は全くと言っていい程分からなかったのですが、今回の実験を通して、少しは理解することができたんじゃないかな、と思えました。二学期から始まった自転車と気球のこの実験で、グループの皆と話し合いながら、改良を重ねて一つの物をモノにしていくという経験できたということは、楽しかったし、すごく意義のあることだったと思います。これから卒業研究なども始まりますが今回の実験のように問題に対して前向きに積極的に取り組んでいこうと思います。

(16)機体製作、プログラムの理解、改変、あらゆる部分が非常に難しかった。特にプログラムの方は、プログラミング入門の授業をとっていたもののその当時以下の知識で非常に苦労した。完全に用意されていたものとはいえプログラムを使って何かものを動かすのは初めてだったので新鮮だった。4年生以降プログラミングの知識が必要になる場面が多くあると思うので、勉強し直すいい機会になった。

(17)船体の形状とサイズを決定したときには、浮力と抵抗の小ささには自信があったが、モータの出力は変わらないので結局裏目に出てしまった。大きすぎ重過ぎでスピードと小回りに劣った。
最初の船体を制作した際、溶着に失敗して補修した箇所に応力が集中し、パンクしてしまった。そこを再補修した際に船体がゆがんでしまい、まっすぐ飛ばなくなり制御が出来なくなった。2番目の船体でも同じ失敗を繰り返してしまった。歪みのない船体を作れないと、コードや尾翼の努力ではどうにもならなくなってしまう。
マイコン収納部に、電池交換やスイッチ操作のために開口部があったが、強度を確保でききるように開けないと箱が変形し、重量バランスや箱に付けた垂直方向のモータの向きがうまく設定できないことがわかった。
全体的に細かいところまでのつめが足りなかったように思う。
制作ではチームワークを活用できた。制御方法などでもっと意見を出し合えればよかったと思う。

(18)飛行船を決まったルートを動かすという目標を定めてプログラムを改善することについて・・・自分たちが想定していた飛行船の動作と実際の飛行船の動作が違っていてどう改善していこうか考えて実行していくことは興味深かったし、とてもいい経験になった。
また、グループで目的を定めて試行錯誤しながら解決していくことは、より達成感がわき、なにより楽しかった。

(19)機体について、制御について、周りの環境についてなど複合的に考える必要があるこの課題はとても難しく感じた。またこれから社会にでて「ものつくり」をする際にこういった複合的な視点が持てるようになることが重要であると感じたとともに、それを持つための1つの大きなきっかけになったと思う。

(20)機体製作から方向・高度の制御まで、大体のプログラムは与えられたとは言ってもほぼ全てを自分たちで考えて作っていくということで、初回は不安だらけだった。それでも最後の高度制御は、タイムでは劣るもののどの班よりも安定した飛行ができ、よい結果が残せたと思う。
ここに至るまでは、スタート直後にすぐに変な方向に曲がったり、磁気センサーが働かないなど、いくつか壁にぶつかったこともあった。しかしそれは垂直尾翼が曲がっていたり、基盤の接触に不具合があったり、しっかりと原因があった。垂直尾翼に関しては、その重要性を甘く考えていたためにずいぶん長い間まともに飛行できないでいた。
このようなことから、実際に自分の手で作り、動かしてみることで、紙の上での計算だけでは知ることのできないことを体験できた。これからの卒研やその後の研究への、良いひとつのステップになったと思う。

(21)改善した点で述べたように、安定した機体を作れたのはうれしかった。進むスピードはゆっくりながらも、ゆったりと安定した飛行はいかにも「飛行船」という優雅さがあった。
今回のような実際に手を動かして、様々な可能性を試して一つのものを作り上げるということはとても楽しいと思う。これからもこのような授業を行っていって欲しいと思う。

(22)私は工学システム学類生でありながら、今まで今回の実験のような電子工作やプログラミングによる制御などをしたことがありませんでした。
今回実験したことは全て初めてのことばかりで、何をやっているのかよく理解しきれないこともありましたが、実際に機体を調整し、プログラミングを改良し制御が上手く行き、飛行船をコントロールできたときはとても感動しました。

(23)最初、飛行船の制御の実験をやるということを知ったとき、制御が苦手なことがあって絶対に無理だと思っていた。制御といっても、実際にやったのは専攻実験での倒立振子の制御しかやったことがなく、飛行船。しかし、その不安をくつがえすほど面白くやりがいのある実験となった。
主にプログラムの変更が主な仕事となった。みんなの作戦を聞いてプログラムを書き換えるのはとても大変な仕事ではあったが、思い通りに飛行できたときの喜びは最高であった。最初はトラブルもあり、飛行船が全然いうことを聞いてくれなかったので、ストレスがたまってしまったが、何よりも最後の高度変化飛行競技において一番早くクリアでき、さらに6回も完走できたことは、自分にとって大きな自信となった。
この実験を通して、班員で協力し合うことの大切さ、流体力学の知識の必要性、問題解決の手法について、深く学べたと思う。この実験は来年からもやってもらって、自分たちが作った記録をどんどん塗り替えてもらいたいと思う。
指導してくださった先生方やTAの先輩方には感謝しています。ありがとうございました。

(24)私はこの実験を通してグループで作業を進め、達成することの喜びや苦労を味わうことができました。メンバーそれぞれで仕事(プログラミング、製作、検証など)を振り分け、お互いの不得意な分野を補い合うことで効率よく作業が進み、またお互いに尊重しあうことができたと感じました。
また三輪自転車の製作実験に比べて、製作という面ではあまり時間をかけませんでしたが、競技を行うにあたり、少しでも速くしたいと言う気持ちから細かいことにも目を向け、どうしたらよくなるのだろうかと知識を搾り出すことが今までに経験したことの無い感覚で面白かったです。
スタートすると一切機体に手を触れることができず、予期せぬ方向に曲がって進んでいってしまうとじれったい気持ちになりましたが、しっかりと完走できたときは飛行船に対してまるで子供やペットのような愛着がわきました。
グループで一緒に作業を進めて、達成する喜びを味わうということは、実際の仕事や研究でも役に立つことだと思うので、予算は厳しいかと思いますが、これからもぜひこの実験を続けてほしいと思います。

(25)最初課題を聞いたときには、どうやって飛ぶのか、どうやって制御するのかも分からず、飛ばせることに対して全く想像も出来なかったが、週ごとに飛行船が浮かび、直進し、思ったように制御できていき、それら一つ一つに感動した。ものを作ることで得られる喜びを実感できとても有意義な実験であった。

(26)とにかく時間が足りなかった。飛行船に関する知識も、制御に関する知識も不足だったと考える。実際に飛ばせた回数も少なくて、もっと細かく制御したかったという点が心残りである。
      おそらく問題児な班だったであろうがチームワークは良かったと思う。全員プログラムが得意でないというとんでもない班だったが、だからこそ知恵を出し合い、議論を重ね、課題を1つ1つこなしていった。この議論の時間が好きだった。また、製作時のはんだをする者、逆支弁を作る者、制御部をつける者、実際に制御する際、プログラムを考える者、実際に書き変える者、制御部のコードを繋ぎスイッチを入れる者が常に同じなので、他の人が代行することができず、一人でも欠けたら成り立たなくなる班であった。みんながそれぞれ活躍できる場があるのはよいことだと思う。
      困難なことにぶつかっても、仲間がいれば乗り切れる、このことを再認識できた課題でした。この思いは忘れません。

(27)飛行船を製作するというのは体験したことがなく、全く知識がない状態から始まった。
今回の飛行船の材質(エンベロープ部)など触れてみて、楽しく興味深かった。これまで数値計算的なただ値を求めるプログラミングは授業などで学んできたが、この実験で天下り的ではあるが実用的なプログラムに触れることができた。実際のプログラムは長文で書くのには時間や労力、知識が必要だとわかり、これから更に専門的なプログラムに挑戦しようと考えている私にとってはとても良い機会になったと思う。
また、これまで触れたことのない超音波センサや磁器センサなどのデバイスを最大限に活用して改良を重ねていくという作業も良かったと思う。
この実験を通してわかった事は、制御と言う作業は、コンピュータ上や計算式上では成り立っても、実際の飛行では思ったとおりに絶対にうまくいかないと言う事であり非常に微妙で繊細な難しい作業だということである。将来このような制御を行う現場にいくことがあるとすれば、少しでもこの経験が生かされ発揮されると思う。またこの実験を行うにつれ、これからも専門知識の学習と習得に努力していきたいという意欲を掻き立てられた。

(28)あまりイメージが湧かない状態で、機体の型紙の寸法を決めてしまったのは、もったいなかった。6班の機体はかなり大きかったせいか、空気が入り飛べる状態にすることが毎週とても大きなデメリットになっていたと思う。必要な浮力の量を十分検討して大きさを決めることが重要だと感じた。浮力が大きすぎれば錘を多くつけなければならず、競技には不利になってしまう可能性もある。
  ただ、自分たちの作った飛行船が実際に飛ぶのはとてもやりがいを感じられたし、改善をしようと考えることは面白かったと思う。
また、船体がよい状態でも制御が上手くいかない時もあり、プログラムは正確でも成功したりしなかったりと、様々な状況があったので実験を繰り返すことの重要さを改めて感じた。

(29)この実験でより学べたところが、機体の制御である。いままでは、「制御」というのはブラックボックスのようなものだった。しかし、この実験で制御の基礎は理解できたのではないかと思う。
  また実験に取り組む前は、飛行船をとばすことなどどうやればいいか想像できなかった。だが、いざ取り組んでみると次々と改善点が出てきた。やり方がわからないというよりは、やることが多すぎて時間が足りないような状況になった。
  飛行船は工学の一分野に過ぎないとは思うが、少しでも工学の実践的な部分に触れられたことはよかったと思う。

(30)初めは飛べるような飛行船を,作ることができるのかと半信半疑だったが,作ること自体は大して難しいものではなかった.しかしながら,作ったものを制御するということがいかに難しいものであるかを知ることとなった.また,用意されたC のソースをあまり理解しようとせずに制御しようとしていたため,思ったような制御ができず苛立ちを覚える場面も多々ありました.理解することがいかに大切かを知ることができました.実験の準備等で思ったことは,用意されていた材料等(テープなど) が不足していてスムーズに作業できなかった場面もあったので改善してほしい.また,回路の接続だがやや説明不足な点が多かった用に思う.ばらばらな資料でなく一括して回路について理解できる資料を用意してほしかった.来年度はこれらの点を直していけばよりよい授業になると思います.

(31)今回の実験は,本当に楽しかった.今までの授業を使ってやっているという点はもちろんだが,自分の手でなにかを作るということの楽しさを改めて実感しました.自分達が何かの壁にぶつかったら自分達で解決するという点も,今までの実験と違いました.今後,この実験を行ううえでは,環境開発工学とエネルギー工学の人は,プログラミングに少し疎いので,もう少し参考紙面があると嬉しかったと思う.自転車の実験と併せて,この二つの実験はやってみなければわからない面白さがたくさん詰まっていて,今後に向けて良い経験になりました.

(32)自転車製作は,「切る」・「組み立てる」の単純作業でできるとおもっていたが,飛行船製作はエンベロープ製作以外が複雑そうでとっつきにくい先入観があった.案の定,超音波センサーや磁気センサー,制御基盤など初めて目にする部品が多く,はじめは困惑したが,豊富な資料のより各部品の仕組みや役割をなんとか理解することができた.ただ,資料がばらばらで,一環性に欠けていて,全体を把握するのに苦心した.製作工程に入ると,自分はプログラミングが苦手なので,機体の調整に従事し,プログラミングは○○君に任せっぱなしであった.自分の苦手を克服するために,もっとプログラミングに携わればよかったと反省している.ただ,作業を分担し,各々の任務を遂行していたという点では協力できていてよかったと思う.今回,飛行船製作は専攻実験の初めての試みと聞いたが,いい経験ができました.グループワークによる問題解決は将来社会に出て役に立つと思います.

(33)真っ直ぐ飛ぶ,直角に曲がる,高度を上げ下げするという単純なことでも実際に制御してみるととても大変だった.しかも今回は体育館で実験しており風などの影響が少なかったにも関わらずあまり思うようにいかなかった.そのことを考えると一般の飛行船などにはどんな工夫がしてあるのだろうと興味を持った.

(34)本体の製作自体は難しいものではなかった.しかし,プログラムを上手く設定しても,思い通りにいかなかったりして試行錯誤が大変だった.授業の内容としてはプログラムや配線の部分でTAの々がどの班でも同じ質問に答えているのが見受けられた.自力で資料から読み取るには難しい部分があったのでまとめて説明してもよかったのではないかと思う.

(35)飛行船の実験では力学や流体といった様々な分野の知識を総動員する必要があり、さらにプログラミングの知識が必要となり、とても難しく感じました。また、あまりプログラムに明るくないため、授業についていくのが大変でした。しかし、班のメンバーが助けてくれ、分担してくれたので、飛行船作りに参加できました。プログラムには殆ど参加できない代わりに、出来ることを積極的に探し、メンバーをサポートして、作業をスムーズに行えるよう努力しました。実際、私たちの班はそれぞれが上手く分担していたためか、作業がスムーズに行えたと思います。L字飛行では、納得のいく結果が得られたので、達成感も味わえた。

(36)この実験は今までしてきた実験とは異なり、自分たちだけで設計、製作をしていかなければいけなかったので最初は非常に戸惑いました。飛行船の動きを制御するのは思った以上に難しく、プログラムを修正するだけ、機体のバランスを変えるだけのどちらかではうまくいかず、何度も飛ばしてみてはそのたびにグループで集まり、どこに問題があったのか、どこをどのように修正すればいいのか意見を出し合って機体またはプログラムを直すということを何度も繰り返し行いました。その苦労の甲斐もあり、飛行船が自分たちの予想した軌道をうまく飛んでくれたときは非常にうれしかったです。
  実験を通して自分はいつも「他の人の意見を聞く」、「自分の意見を積極的に発言する」ということを意識するようにしていました。今までも実験は班で行ってきましたが、今回の実験のように答えが与えられていないときには話し合い、実験を進めていくことが重要だということは二学期に行った障害者用自転車の製作のときにも感じていました。今回実験がスムーズに進められたのも、誰か一人の力ではなくグループの力だと思っています。このような経験はこれから非常に役に立つと感じました。

(37)この実験で、授業で習っているC言語で実際にコンピュータを制御できるということを実感できてよかったです。プログラミングの授業では計算をすることぐらいしかできないが、本実験ではプログラムの組み方次第で機体の動きが大きく違ってくることを実際に体験することができて、プログラミングの重要さを感じました。
また、流体の中で機体を制御することの難しさも学びました。
同じ、制御で飛行を行ったとしても、気温によってヘリウムの密度が変わり、毎回どの程度気体を入れればよいかが変わったり、体育館での微妙な風の流れによって飛行経路が変わってきたりと毎回違う動きをしてしまうので、そこをうまく調整することが難しかったです。また、始め、機体の浮力が足りるかどうかぎりぎりだったこともあり垂直尾翼を軽視し、取り付けなかった。しかし、まっすぐすら飛ばすことができず、付けてみるとうまく飛ぶようになった。このように、実際に手を動かし、実験することの大切さを教えられました。

(38)実験を通して不安だったことは、飛行船が浮いてくれるのかどうかです。理論上必要な浮力が確保できなかったため、もしかしたら浮かないのではと思っていたが、尾翼を軽量化し、その他の部分も少しずつ軽量化することで上手く浮くようにすることができ、実験の最後まで同じ機体を用いることができたので良かったと思います。設計の段階で、実際に作成したときに浮力が理論値と比較して前後するということを考え、理論よりも多少大きい浮力を確保できるようにするべきだったと反省するところである。
今回の実験では、はじめ、垂直尾翼は設けず、尾翼は水平尾翼しか設けていなかった。このため、最初の「直進競技」では機体が左右におおきく揺れながら飛行し、時間をロスしてよい結果を出すことができなかった。しかし、この結果から垂直尾翼が大切な存在であることを学び、その後の競技では上手く改善することができました。このように、失敗したことから何かを学ぶということを経験できたのは今後の自分にいかせることだと思います。
   競技が難しくなってくると、プログラムは正しくできていて、理論上は上手くいくはずでも、飛行船の機体の形状や、モーターの取り付け方・位置などによって飛行船の挙動が微妙に変化するのでなかなか自分たちの思うように制御することができず、四苦八苦しました。実際に試験してみて始めて分かることもたくさんあり、実験をすることが何故必要なのかが多少なりとも理解できたと思います。
   実験が始まってすぐは、難しい理論の説明などであまり面白くないと感じていたが、自分たちが作った飛行船が飛ぶのを見ると、実験が面白いと思えるようになり、自分たちが思ったとおりに飛行すると嬉しかったし、逆に最後の「90度回転+高度変更競技」ではもう少しのところでゴールすることができず悔しい思いをしました。
   今回の実験を通して、これまでの実験とは違い、自分たちが主体となって考え、行動するという貴重な体験ができたので良かったと思います。

(39)この飛行船の実験は自分が思っていたものよりかなり高度なものであった。超音波センサーによる高度の調整、磁気センサーによる進行方向の決定。僕が想像していたのはラジコンのように自分が操縦するもの。しかし、マイクロチップに書き込んだ通りの行動を飛行船自身が勝手に制御し、動いた。すっげ!!2年生のときも制御の実験はあったが、はじめて制御をしたという実感を得た。
  僕らは直線競技のとき、どうしてもまっすぐ進むことができず、大きく蛇行を繰り返していた。先生は「これは尾翼のない飛び方の典型パターンだね」とおっしゃっていた。尾翼は飾りくらいだと思っていたため、半信半疑で尾翼製作に取り組んだ。ぺたった取り付けた。まっすぐ飛んだ!!今回の実験で大きく感動したことのひとつであった。尾翼は大切だ!!
  プログラムは理解するのに時間がかかった。というよりは授業のはじめの先生の解説がなければ理解はできないであろう。duty比や補正の最適値、磁気センサーの補正、慣れるまでは大変だったが、慣れたらこっちのものだった。
  最後の授業のとき、僕らのエンベロープはぺっしゃんこだった。空気を全てぬき、またHeガスを充填した。かなりの浮力の違いが生じた。空気が混ざるとは聞いていたがここまで浮力の違いが生じるとは思ってもいなく、これなら尾翼の軽量もせずにすんだのかもしれない。もっと、早めの段階でエンベロープの中の空気をぬいて、Heを入れなおしておけばよかったと少し後悔。
  この実験を通し、ものづくり&制御を体験でき、またひとつ成長。先生方とこの実験に感謝します。ありがとうございました。

(40)今回の実験はなかなか新鮮で面白かったと思う。まず、流体相手の制御はなかなか難しいことがわかった。空気の抵抗というのが、自分で考えていた感覚よりずっと大きいのも分かった。正直、高だか秒速1メートル程度の速度では尾翼の影響も大したことないと実験前には思っていたのだが、甘かった。実際の旅客機のように、重い鉄のものが空気の抵抗で浮くのが正直理解できなかったが、ちょっとは頷けた気がする。また、姿勢安定させることの難しさも分かった。とにかく、授業で習ったことを実践的に使ってどうなるかをみられたし、楽しい実験だったと思う。
ひとつ、今回の実験では、水力のプロペラを細い木の棒で支えて、その木の棒もやわらかい'豆腐箱'につけなければならなかったので、プロペラの固定が難しく、剛性も落ちるので、実験を行う上で、設定どおりに制御しづらかった原因のひとつになっていたと思う。次のものたちのためにも、その辺の材料の変更があればもっと実験がスムーズに行くと思う。

(41)飛行船の形は直進の安定性や曲がりやすさなどを特に考えずに、特徴のある形にしたかっただけだったけど、競技では思いのほかいい記録が出て驚いた。正直なところ理論的なことはまだ完全には理解できなかったけど、実際に飛行を繰り返し行うことで少しずつどう変えていけばよいかが考えられるようになった。
この実験に関しては、今年初めてだったことを考えると競技なども良く考えられていて、とってみてよかったと思える授業だった。今後して欲しいことといえば、もう少し自由度のある飛行船の作成をできるようにして欲しい。飛行船自体の大きさや、形、またはコックピット、プロペラを取り付けた軸などを自分たちで選んで各班がもっと特徴のある飛行船をそれぞれ作れたら面白いと思う。

(42)この実験で出てきた器具は、磁気センサや超音波センサなど、とにかく初めて使うようなものが多くはじめは非常に面食らった。しかし扱っているうちにだんだんと使い方を理解することができ、最終的にはある程度思い通りに扱えるようになれた。プログラミングで制御を行うことをほとんどやったことがなかったので、実際に触れて制御を行ったという貴重な経験を今後に活かしていきたい。
機体の作製においては、気体力学など今まで学んできた知識を、少しばかりだけれど利用したりして、工学的な楽しさを感じることができたと思う。しかし、知識を利用したといっても、計測や計算を用いて機体の設計を行ったわけではないので、知識を深める段階まではいたらなかったのが残念である。
全体を通して、よい記録を多く残ることができて、良い機体と良い制御が行えたと思うので、個人的にはこの実験に満足している。


 

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