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筑波大学大学院 システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻:機械・土木・建築・航空・宇宙・原子力・電気・環境・エネルギー:修士課程・博士課程・追加募集
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OBインタビュー

OBインタビュー 上田康裕さん

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本田技術研究所栃木研究所にてエンジン領域に所属しF1のエンジン開発に携わる。筑波大学第3学群基礎工学類を経て、同大学院理工学研究科構造工学専攻(現・システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻)で熱・流体力学系の研究を行なう。今の仕事は子供の頃からの憧れ。

これまでのあゆみ

   

筑波大学に入学

子供の頃から車が好きで、いずれはエンジン開発の仕事がしたいと考えていた。エネルギー関係を学ぼうと、研究環境が自分に合いそうな筑波大学に進学。

筑波大学大学院理工学研究科に進学

筑波大学には内燃機関の研究ができる学科はなかったが、彼が興味のあった熱や流体エネルギーの研究はエンジンのベースになると切り替え、研究にいそしんだ。

本田技術研究所に入社(2002年)

研修修了後、念願だった栃木研究所で、F1エンジン開発の部署に配属。現在は日本とイギリスを往復する日々だ。

子供の頃からの夢を叶えるために大学院へ

  現在、本田技術研究所でF1エンジンの開発を行なう上田さんは、少年時代からの夢を叶えたひとりだ。筑波大学 構造エネルギー工学専攻には、飛行機やロケットなどを作りたい! という元少年がたくさん集まっている。「実は筑波には、自動車のエンジンを始め、内燃機関を研究する学科はないんです。でも僕が興味があった熱や流体エネルギーの研究はエンジンなど全ての動力のベース。車のことは会社に入って勉強しよう…と開き直り、その分野では研究実績が輝かしい村上教授の研究室に入りました」。もともと大学進学時に筑波大学を選んだのは、あまり都心ではなく、のんびりとしたムードで腰を据えて研究ができると思ったからだ。   a

実験に励み、多くのことを身に付けた日々

  1年目は朝9時から授業に出て、夜の8時頃までは授業。授業の合間はもちろん、夜中まで研究室で実験や準備、勉強を行ない、家には寝に帰るだけ。彼の研究は超流動ヘリウムに関するもので、数人でチームを組んだ実験が始まると、夕方から朝まで夜通し、データを採取する。「うちの研究室は、ある程度予算があったので、幸せなことに失敗しても次々とチャレンジできたんです。村上教授が、僕達の自主性を重んじてくれたので、毎日いろんなことを工夫しながら実験し、充実してました」。
チームで動くうちに、2年生になる頃には自然とリーダーシップをとる役割になっていた。また実験器具の手配で外部のメーカーとの折衝も引き受け、そういったことが苦手ではない自分を発見。これも教授の方針で、学生も国内外の学会に参加し、自分の研究を発表し、上田さんも冷や汗をかきつつ、人前で話すことに慣れていった。これらのことが会社でどれほど役に立っているかわからない。「今のF1はエンジン性能が全てではないが、やはりどこにも負けたくありません。レースは結果がシンプルなので、うれしいことも多いですが、非常に現場は厳しい。でもエンジンテストを行う際、どうすれば効率的か? どんな組み立てにするか? など学生時代に自分たちで実験を組み立て、失敗するたび一つ一つ工夫した経験が生きています。大学院で学んだことは多いですが、実験への取り組み姿勢という本質的なことが身に付いたことが最も大きいですね」。
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印象深い授業

 

「粘性流れの力学」

粘性流体の流れの特性を明らかにする講義。粘性流体の流れについて、主として解析的な側面から、その一般的特性を明らかにするものです。

「宇宙エネルギー資源論」

近未来、枯渇すると考えられる地球上のエネルギーや資源を補うため、太陽光発電等、宇宙に無限に存在するエネルギーや資源を利用するための最先端技術の概要と、その発展の可能性を論じています。

「村上研究室のゼミ」

僕の研究は超流動衝撃波管装置を用いて超流動ヘリウムの高度に非定常な相転移現象や熱流動現象の解明を目指すものでした。村上研究室では、毎週自分の研究発表があり、人前で話すことに慣れるいい機会でした。

 

その他

 

受験生へのアドバイスは?

僕自身は、内部からの進学ですが、理系の研究科は地道な実験の積み重ねの毎日です。受験準備も含めて、毎日の積み重ねが大事だと思います。

同級生はどんな仕事をしている?

僕のように自動車メーカーでエンジン設計や安全装置の開発を行なっている人、重工系の会社に就職しロケットや飛行機の開発に関わっている人、風力発電のプラント設計や航空機のパイロットになった人など様々です。

筑波のキャンパスのいいところは?

学校と住むところがみんな近いので、自分も便利だし、みなが仲良くなりましたね。また環境が落ち着いているので、研究に没頭するには、非常に適していますし、周囲に民間の研究所が多いのも何かと便利です。

 

本記事は、2005年度に(株)リクルート ケイコとマナブ.net社会人&学生のための大学・大学院net」に掲載された内容を一部修正したものです。

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