Our Mission
科学技術の方法論は,実験・理論・計算科学・データサイエンスへと拡張してきました.20世紀後半に数値解析を核とする計算科学が第三の柱となり,2000年代後半には大量データから規則性を抽出する人工知能(AI)が第四の柱として定着しました.いまや仮説生成をAIが担い,検証をロボットや計算科学が担うAI駆動科学 (AI for Science) が台頭し,大規模言語モデル(LLM)がその中核をなす.この第三→第四→第五のパラダイムシフトは加速しており,10年後の技術は予測しづらい一方で,大きな機会が生まれています.
Cyber-Physical Intelligence Labのミッションは,モデルベース(第三:計算科学)とデータ駆動(第四:データサイエンス)を活用し,AI for Science (第五:AI駆動科学)の力も取り入れながら,実機システムに埋め込まれた知能(Embedded Intelligence)を実現することです.Digital Twins/物理AIとその関連技術を基盤として深化させ,宇宙システムや地上設備を対象に,従来の“支援”を超える新しいシステムの創出を目指します.JAXAとの協働による実証を通じて,技術の検証と社会実装の両立を図ります.

What You’ll Learn Here
“解く力” < “問う力”
目の前の課題を片づける“解く力”に加えて,課題そのものを発見し定義する“問う力”が現代では求められています.
まずは基礎体力としての“解く力”を鍛えます.本研究では,モデル化技術(モデルベース/データ駆動/ハイブリッド)とその信頼性確認(V&V/UQ),実稼働システムへの同期技術(データ同化),意思決定と自律運用に直結する健全性予測及び管理(PHM)や最適化を中心に据えます.研究は,基礎と現場のバランスを取りつつ進めることを目指します.また,学会活動や産学官連携(JAXA を含む)を通じて,多様な研究環境・文化・専門を束ねる協働力を養っていただきます.
“解く力”を身につけながら,“問う力”を鍛えます.本質を問う – 問題は何か,何を明らかにするのか,誰のための価値か,制約は何か.つねにアンテナを張り,仮説を立て(モデリング),定量的な評価指標(目的関数)を設計し,代替案を並走させて検証します.社会的倫理観も求められることが多く,安全性・信頼性はもちろん,公平性と説明可能性までを考慮しなければなりません.
修士で卒業する場合は2年と短いですが,モデリングを中核に据えた“解く力”を土台に,社会課題を“問う力”を修練できる研究室としたいと考えております.
