研究プロジェクト

本研究室では,このような研究プロジェクトに携わっています.

確率的マルチフィジックス・マルチスケールモデリング法の提案と各種応用・妥当性確認

近年,工学シミュレーションの品質保証の方法が学会・産業界ともに重要な課題となっており,中でも不確かさ(Uncertainty)を考慮したモデリング手法の確立が急務となっています.そこで本研究では,従来の確定論的なマルチスケール法を発展させた確率的マルチフィジックス・マルチスケール法を提案・実証するとともに,その応用探索と実用システムの開発を目指しています.

multiscale

超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト

高シェアを誇る日本の機能性材料は,日本の産業競争力の源泉であり,今後も世界トップを走っていく必要があります.材料開発の現場では“経験と勘”に基づく仮説を立て実証を繰り返す文化が根付いているところ,本プロジェクトでは,新たに計算科学を持ち込み,材料開発との融合・連携によって革新的な機能性材料の創成・開発の加速化を目指しています.

airplane1

次世代ジェットエンジンの設計解析技術開発

航空機の燃費を向上させるためにジェットエンジンの軽量化が求められており,ファンブレードの材料として軽くて強いCFRPが注目されています.しかし,CFRPファンブレードの耐久性評価が確立されていないことが,実用化へのハードルの一つとなっています.本研究プロジェクトでは,寿命予測技術の開発や耐久性データの取得によりCFRPファンブレードの耐久性評価技術の確立を目指しています.

birdstrike

CFRP積層板における負のポアソン比の発現とその検証ならびに応用に関する研究

代表的な複合材料であるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)積層板は,その積層構成によってはポアソン比が負となる現象が発現します.これは,材料設計の観点から重要な特性ですが,その詳細なメカニズムは明らかにされていません.そこで本研究では,負のポアソン比のメカニズムについて,巨視的および微視的な観点からマルチスケール的に解析・調査するとともに,実験的検証やその応用探索を行っています.

poisson

複合材構造の高度設計開発に向けた新規シミュレーション手法の開発

複合材構造,特に航空機用複合材構造の高精度・高効率な設計開発を目指した新規シミュレーション手法の構築を目指しています.このため,ミクロ・メゾ・マクロを完全にリンクした繊維強化複合材料の非弾性材料モデリング等を行っています.これにより,機体軽量化を通じた航空機等の省エネルギー化に寄与するとともに,航空機設計開発における我が国の国際競争力の向上に貢献したいと考えています.

triplescale

航空機エンジン用複合材構造のマルチスケールシミュレーション

低炭素社会の実現に向け,航空機エンジンの軽量化による航空機の低炭素化(グリーンエンジンプロジェクト)が,宇宙航空研究開発機構(JAXA)等を中心に進められています.この軽量化において切り札の一つとなるのが,航空機エンジンへの複合材構造の積極的な導入です.これを革新的に進展させるため,本プロジェクトでは複合材構造に対するマルチスケール解析技術の開発に取り組んでいます.

airplane1 afjr

CFRP製水素タンクのマルチスケールシミュレーション

日本では,2050年のゼロエミッションを目指すことが宣言され,水素社会実現への期待が高まっています.水素の効率的な貯蔵方法として,軽量かつ高強度なCFRP製水素タンクの開発が強く望まれています.本プロジェクトでは,水素自動車(FCV)メーカーであるトヨタ,ホンダと連携しながら,CFRP製水素タンクの設計開発を格段に高度化するためのマルチスケール解析技術について研究しています.

hydrogentank