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組立鉄筋 戸建住宅の鉄筋コンクリート基礎工事における鉄筋配筋作業は、従来は現場で作業員が手作業で鉄筋を組み立てるものであったが、最近では工場であらかじめ組み上げ溶接した鉄筋(組立鉄筋)が用いられることが多くなっている。組立鉄筋を用いることにより、現場では組立鉄筋を設置し継手筋を結束するだけで配筋が完了し、作業時間が短縮され現場における作業員の負担を減らすことができる。 |
住宅用基礎梁の構造実験 本研究では、組立鉄筋を用いたキャップタイ工法による戸建住宅基礎梁のせん断強度を確認することを主目的とする。十分な構造性能が確認されれば、住宅基礎工事における現場作業員の負担を更に減らし、良品質の部材を用いることができる。 |
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構造実験用試験体 試験体は、ダブル配筋が必要となる梁幅を有する戸建住宅基礎梁を想定した、ほぼ実大断面の梁試験体である。断面は、幅×せいが220mm×420mm、肋筋は異形鉄筋D10の配筋である。コンクリート強度は、想定する適用範囲の下限値と上限値である18MPaと30MPaとする。 |
加力方法 加力には、大野式逆対称曲げせん断加力を採用し、2000kNユニバーサル試験機を用いて一方向単調加力を行う。計測項目は、試験機による荷重、スタブ間の相対たわみ、軸変形、試験体局部変形および主筋と肋筋およびキャップタイの歪である。 |
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実験結果 各試験体とも、曲げモーメントが最大となる梁端部に曲げひび割れが発生し、その後、18MPaシリーズの試験体ではせん断力80〜90kNで、30MPaシリーズの試験体では160kN程度でせん断ひび割れが発生した。18MPaシリーズの試験体ではせん断ひび割れを起点として、主筋に沿った付着ひび割れが進展する傾向がみられたが、キャップタイのある試験体では付着ひび割れが拡大する様子はさほど見られなかった。 各試験体の最大耐力は、通常の135度フック肋筋の試験体と同等以上であり、荒川mean式および終局強度型指針式A法により、安全側に評価できる。 |
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