耐震対策の有無による体育館吊り天井の地震時挙動の比較

Comparison of Seismic Motions between Conventional and Earthquake-Resistant Suspended Ceilings in Gymnasium

Abstract


 学校体育館は災害時に避難拠点となるため,災害発生後も使用可能であり余震にも耐えうる施設であることが求められる.しかし,東日本大震災では,天井や照明等の設備機器が落下し,避難拠点としての機能を満たさなかった事例が報告されている.また,天井等の脱落により死者5名,負傷者72名以上の人的被害があったと報告されている. このような天井落下による被害の報告を受け,建築基準法の改正等が行われている.他方,適切な対策を施すには脱落被害メカニズムの解明が必要である.実大三次元震動破壊実験施設(以下,E-ディフェンス)で吊り天井の脱落被害再現実験が実施され,メカニズム解明のための有用な知見が得られたが,異なる形状の天井の脱落被害メカニズムの解明には様々な条件での実験が必要とされる.しかし,大規模な実験を何度も実施するには時間やコストがかかり困難である.そこで本研究は,未対策天井と耐震天井の脱落被害を,条件やパラメータを容易に変更できる数値シミュレーションにより再現し,脱落や損傷のメカニズムを解明するための知見を得ることを目的とする.天井落下解析には,地震動,弾塑性,破断を含む非線形性の高い解析を安定して行えるASI-Gauss解析コードを用いる.


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