有限要素解析による家具の耐震対策の検証

Verification of Quake-Proof Countermeasures on Furniture by Finite Element Analysis

Abstract


日本は世界有数の地震大国であり,数多くの地震が発生している.特に1995年の阪神・淡路大震災では,多くの構造物が倒壊した.また,地震による家具などの内部設備の転倒・損傷が発生し,人的被害も生じた.2011年の東日本大震災では,震源から遠く離れた首都圏などで,建物自体への被害は少なかったが,家具や内装設備に大きな被害がもたらされた.東日本大震災後に東京消防庁が都内で実施したアンケート調査によると,約20%の回答者が家具類の転倒・落下,移動(家具類が転倒せず,概ね60cm以上移動したもの)があったと回答している.さらに,階層が上層になるほど家具類の転倒・落下・移動が発生したと回答した割合が増加する傾向にあった.近年,家具などの什器を固定するなどして転倒を防ぎ,被害を未然に防ぐ措置が実施されている.これらの対策の有効性は,加振実験を行うことにより検証することができるが,コストや時間がかかり繰り返し行うことは困難である.そこで本研究では,ペナルティ接触理論に基づく接触アルゴリズムをASI-Gauss法に導入した転倒挙動解析コードを用いて,耐震対策を施した家具の地震時挙動解析を行い,耐震対策の検証,考案を行っていく.


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