地震動下におけるRC 造建物内のドア枠変形挙動解析

Deformation Analysis of Door Frame in RC Frame Building during Seismic Motion

Abstract


近年,天井や外壁,家具などの非構造部材の地震被害に対する関心が高まっている.建物自体が倒壊を免れても,非構造部材が変形・破壊することにより地震発生後の機能や安全性の確保が困難となることがその理由として挙げられる.中でも室内に設置されているドア枠が変形しドアの開閉が困難となると,避難が遅れ,人的被害が増大する危険性が高くなる恐れがある.一方,1981 年に改正された建築基準法ではドアの耐震基準が具体的に定められておらず,ドア枠の変形を軽減するためにドアとの間のクリアランスを大きく設ける等の方策が取られているのが現状である.前報では,低層鋼構造建物内のドア枠の変形について数値解析により検証し,建物の層間変形角とドア枠の面内変形角の相関について調べた.本報では,高層RC 造建物内のドア枠の変形について検証し,ドア枠が設置される箇所に応じた変形量の低減方法を提案することを目的とする.変形量の評価には地震で生じるドア枠の面内変形角を用い,面内変形角と建物に生じる層間変形角の比較,階ごとの変形量の比較,部材の塑性化状況からドア枠の変形メカニズムについて考察した.数値解析には,材料の弾塑性,破断現象を含む非線形性が高い解析でも安定して行えるASI-Gauss 法にRC 構成則を導入した解析コードを用いた.


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