Abstract
近年、開発の目は宇宙へと向けられており、
すでに宇宙ステーションなどの研究・開発が盛んに進められている。
研究・開発段階において、宇宙という特殊な環境での構造物の挙動については、
コンピュータによる数値解析が主流となる。
地球の周りにはすでに多数の人工衛星またデブリが浮遊しているため、
それらが宇宙構造物に衝突する可能性もあり、衝突した際の構造物の挙動をあら
かじめ知ることは重要な問題である。
また破壊挙動を知るためにも、部材の破断まで考慮した衝突解析を行うことが望
ましい。
従来より骨組構造を解析する手法の一つには、有限要素法（ＦＥＭ）が用いられ
てきたが、衝突解析などの非線形性・不連続性の問題を解くには相当の要素数・時間・メモ
リを要するなど困難な点が多かった。
しかし、骨組構造の解析に有効である、順応型 Shifted Integration 法（ＡＳＩ法）を
用いた有限要素法では、要素の数値積分点の位置をシフトすることにより、要素の任意の位置に
正確に塑性ヒンジを形成することが可能で、
これにより通常の有限要素法に比べて、格段に少ない要素数で高精度の解析が可
能である。また、要素のある断面に塑性ヒンジを発生させると同時に、その要素の断面力を
解放し部材の破断を表現することができる。
本研究では、ＡＳＩ法を用いて骨組構造の動的応答解析、破断を伴う衝突解析を
行い、その結果から計算効率の高いアルゴリズムを構築することを目的とする。
When space structures are placed in low-Earth orbit there is possibility that the structure collides with meteoroids and space debris. Prediction of damage of space structures due to collision with these is an important issue. In analysis of framed structures by using conventional finite element method, the accurate response can't be obtained without deviding the members into large number of elements. However,by using ASI finite element method,it is possible that the high computation accuracy is produced with fewer elements. In this technique,the plastic hinge can be expressed at any position of an element by shifting the numerical integration point in an element with the previous established relations. In this paper,the ASI technique is applied to the response analysis and the collision analysis considering member fracture of framed structures.