地震時における医療施設内の什器の挙動解析
Abstract
今後，想定される首都直下地震などの大地震が発生した際，医療施設は什器の破損や故障，薬品棚の転倒などにより本来の機能を保持できず，医療活動に大きな支障が出ることが懸念されている．一般的に医療施設内には，利便性の観点からキャスター付什器が多数存在するため，キャスターの固定状態が震災後の医療施設の機能保持に大きな影響を及ぼす可能性が高いと考えられる．そこで本研究では，キャスター付什器の固定状態の違いが挙動にどのような影響を及ぼすのかを数値解析によって調べることを目的とする．解析手法としてはペナルティ接触理論に基づく接触アルゴリズムをASIGauss法に導入した転倒挙動解析コード2)を用い，キャスターの固定状態を考慮した医療施設内の什器の挙動解析を行った．