大型RC骨組構造の発破解体解析
Blast Demolition Analysis of a Large-Scale Reinforced Concrete Framed Structure

Abstract


 2004年,ドイツ西部の町で老朽化し不要となったハーゲン貯蓄銀行ビルの発破解体が実施された.発破解体とは,部材接合部などを爆薬により発破し,建物の自重を利用して全体を崩壊させる工法のため,短期間かつ低コストで建物を解体可能な解体工法である.なお,ハーゲン貯蓄銀行ビルの周囲は空地であったため,段階的発破を利用した解体により建物を横倒しにする計画が練られた.しかし実際には,計画とは異なり鉛直方向に崩壊したため,部材が積み重なり撤去作業に危険を伴う結果となった.このように,段階的発破を利用した解体は,建物の倒壊方向の制御が難しいため,計画時に発破間隔・発破箇所を十分に検証しておく必要がある.本研究では,建物の崩壊解析に実績のあるASI-Gauss法に対し,RC構成則および発破アルゴリズムを導入し,RC部材の耐力低下や発破現象について解析上で模擬的に表現可能な解析コードを開発した.さらに,ハーゲン貯蓄銀行ビルをモデル化し,実際の発破計画に従った発破解体解析を行い,発破間隔・発破箇所に着目した検証を行った.


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