「Spiral Top」浮遊物体の設計支援解析


 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の下で進められているISS/きぼう 文化・人文社会科学利用パイロットミッションの一環として,筑波大学 芸術学系 逢坂卓郎教授が提案したテーマ「Spiral Top」の設計支援解析を実施した.

「Spiral Top」プロジェクトとは?
 無重力空間でニッパーやペンチを軸回りに回転させるとコマのように一定時間回転し続けるが,ある時点で突然,上下が反転するという現象が起きることが毛利宇宙飛行士によって紹介された.この現象を利用し,下図のような物体の棒状部先端にLEDを取り付け,螺旋回転運動を発生させてその光跡を芸術として楽しむというプロジェクト.本研究室の解析システムを用い,適切な重量配分や形状を決定した.


図1 Spiral Topのシミュレーション
筑波大学 磯部研究室

 ISSに滞在する若田宇宙飛行士により2009年4月30日,5月2日に実験が行われ,見事に成功した(図2,図3).LEDの光が点滅するアーム4本を持つ「Spiral Top」は,先端の重りを変える事で多様な反転運動を行い,同心円,多重螺旋の光跡を空間に描く.宇宙空間で初めてのライトアートの展示となった.


図2 国際宇宙ステーション(ISS)での実験
の様子
逢坂卓郎/ 若田光一,JAXA(実施)


図3 宇宙空間で初めてのライトアート
逢坂卓郎/ 若田光一,JAXA(実施)

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