月の地盤工学 by 松島亘志 (Takashi MATSUSHIMA) 筑波大学 システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻 TOPICS (最終更新2010.12.5) アメリカ土木学会(ASCE)が発行している航空宇宙工学に関する国際学術誌Journal of Aerospace Engineeringの2009年度Best Paper Awardを受賞しました. (詳しくはこちら) ASCEの記事 日本惑星科学会の学会誌「遊星人」第19巻2号(2010)に月面地盤の力学特性についての論文 月面表層土の粒子特性とバルクの力学特性 が載っています。是非ご覧ください。(2010/06) 月の地盤特性に関する研究が学研「大人の科学」マガジンVol.19 p.21に掲載されました。内容はこちら (PDF) 研究の背景 米ブッシュ大統領の「新宇宙戦略(2004.1)」以来、2018年までに月面に再び人類を送り込み、2024年には更なる遠くへ向かうための月面中継基地を造る計画が急速に進んでいます。(参考:NASA宇宙探査ビジョンのページ) 月面基地建設のためには、月の地盤を知る必要があります。アポロ計画では、いくつかの現地地盤調査が行われましたが、使える機材が限られていたことから、3m程度までの浅い地盤についての概略情報しか得られていません。 様々な深さの(すなわち様々な拘束圧下での)詳細な地盤情報を得るには、サンプルの力学試験が必要となりますが、アポロの持ち帰りサンプルは非常に貴重であるため、粒子を破砕する可能性のある実験はなかなかできないのが実状です。現在までに行われた力学試験は、Lunar Sourcebookなどにまとめられていますが、ほんの数えるほどしかありません。 そこで、本研究室では、月地盤を構成する土粒子の物性(粒度分布、粒子形状、破砕性など)から、巨視的な力学特性を推定する研究に取り組んでいます。 月面の地盤工学(2006) (PDF) ■月の地盤に関するリンク集 ●英語サイト アポロ・月面ジャーナル アポロ計画(11号〜17号)に関する完全なマテリアル。写真やビデオも多数 月周回衛星写真による月表面地図 ルナ・オービター、アポロ、レンジャーによる写真地図 NASA宇宙物質保存室 アポロ回収サンプルの他、宇宙塵、隕石などの総合管理室 アポロ計画における月土壌サンプルカタログページ(NASA) 主要な月土壌サンプルに関する情報と写真 クレメンタイン・ミッション 1994年に行われた、クレメンタイン月周回衛星ミッションの概要と公開データ。 Lunar Sourcebook電子版購入ページ 月に関するバイブル。書籍は絶版だが、電子版(pdf, searchable)なら$30で買える。 ●日本語サイト 月探査情報ステーション JAXAによる日本の月探査に関する情報ページ。 「月面分光地質学研究ページ」 大阪大学佐伯和人先生のページ。地球からの月面観察や、クレメンタインの画像の使い方、月の地質学の基礎知識などを解説。とても勉強になります。 松島亘志ホームページへ |