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Application of DFRCC


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[文献]
DFRCC
近年、ビニロン繊維やポリエチレン繊維を使用した、引張強度よりも引張靭性(伸び能力)を 期待した高靭性繊維補強セメント系複合材料(DFRCC)が開発されている。通常のコンクリートの ひび割れ歪が数百μであるのに対して、数%の伸び能力を期待しようとするものである。
DFRCCの構造利用
DFRCCに練り混ぜられる短繊維は、コンクリートのひび割れを架橋することにより、その能力を発揮する。 通常の鉄筋では補強効果が得られにくい箇所、例えば非常に大きいせん断応力が発生する境界梁(連層耐震壁を連結する梁) や柱梁接合部などへの適用が考えられる。
部分架構による実験
柱梁接合部のパネルゾーンには大きな複合応力が作用するが、高密度の配筋が困難な上に、現行指針では帯筋量を増やしてもパネルゾーンせん断強度や主筋付着強度を増大させることはできない。境界梁(上図)や柱梁接合部(下図)の部分架構を取り出した試験体を実際に作製し、加力実験を行って構造性能を確認するとともに、耐力や変形能の評価法を提案する。
DFRCC梁部材のせん断実験
上図は通常のコンクリートを、下図はDFRCCを用いた試験体である。内部の鉄筋の配筋や加力条件は両者でまったく同一である。数十年に一度程度の遭遇が考えられる大地震時の変形に相当する、部材角1/100の時のひび割れ状態を示している。実験の時にはひび割れの発生箇所の確認を容易にするため、ひび割れ箇所をペンでなぞってマーキングを行うが、2つの梁部材におけるひび割れの発生状況には大きな違いがある。部材角が同じであれば全体変形も同じであるので、ひび割れ発生本数の差がおおむねひび割れ1本あたりのひび割れ幅の違いとなって現れる。

DFRCC柱梁接合部実験
繊維を混入した試験体は混入していない試験体よりひび割れ幅が小さく、ひび割れの間隔も狭くなり、ひび割れの分散効果が確認される。 混入していない試験体は、最大耐力以降において接合部せん断ひび割れが拡大し、接合部せん断破壊が卓越するとともに荷重が低下し、最終破壊に至った。混入した試験体は、接合部せん断ひび割れの拡大はみられたが接合部の損傷が小さく、梁端や柱のコンクリート圧壊が支配的になって最終破壊に至った。
DFRCCの架橋効果の評価
ひび割れをデジタルカメラで撮影して、荷重とひび割れ幅、層間変形とひび割れ幅の関係を得る。繊維の架橋則と照らし合わせて、補強効果を評価する。