非構造部材を含む建物の統合的FEA-VR システムの開発
Abstract
地震時には，建物が無事であっても家具が転倒して人々がその下敷きとなったり，室内が散乱することで避難が遅れてしまったりするなど，居住者に対する被害が大きくなる場合がある．先行研究では，同一種類の家具でも，設置する階数によってその挙動が異なることが数値解析上で確認された．本研究では，建物内に家具や天井などの非構造部材を設置した統合モデルを用いて有限要素解析（FEA, Finite Element Analysis）を実施し，その結果を投影し，地震発生時の建物各階層の室内挙動を体験できるVR（仮想現実）シミュレータを開発することを目的とする．10 層RC 造建物を模擬したモデルと家具・天井モデルを作成し，ぺナルティ接触理論に基づいた接触アルゴリズムとRC 構成則を導入したASI-Gauss 法に基づく解析プログラムを用いて地震応答解析を実施した．さらに，VR 用の3D モデルを作成し，3D 環境の中に解析結果を再現することで地震発生時の室内を仮想的に体験できるVR シミュレータを開発した．