木材構成則を導入したASI-Gauss 法に基づく木造家屋倒壊解析技術(その2:木造家屋倒壊実験の再現解析)
Abstract
木造家屋の倒壊を含む非線形地震応答を解くためのシミュレーション手法として,T. Nakagawa and M. Ohtaの Extended Distinct Element Method(EDEM)をベースとした手法が良く知られている.EDEM では部材をバネ・ダッシュポットで接続された剛体球の集合で表現するため,部材の破壊に伴う不連続な変位場の扱いには適しているが,連続体理論の枠組みで部材の弾塑性挙動を扱うことができない.そこで本研究では,骨組構造物の崩壊挙動を含む強非線形構造解析に有効なASI-Gauss 法にはり部材の木材構成則を導入することで,FEM をベースとした木造家屋倒壊解析技術を構築する.これにより,連続体としての木材の弾塑性変形から破壊までの過程と,破壊後の飛散といった離散物としての過程を統一的にシミュレートすることが可能となる.この提案手法を用い,2005 年に実大三次元振動破壊実験施設(以下,E-ディフェンス)で実施された既存木造家屋倒壊実験[3]の再現解析を行うことで,提案手法の妥当性と有用性を示す.