風荷重が作用する枠組足場の片方向FSI解析

One-Way FSI Analysis of Prefabricated Scaffolds under Wind Loads

Abstract


建設・解体現場の足場は,建物に近接して容易に作業を行えるように,多くの現場で設置されている.足場には多くの場合,養生シートや防音パネルが取り付けられている.しかし,シート類によって風の受圧面積が増加することで足場の風荷重が増大し,足場を建物壁面に固定している壁つなぎが引き抜かれ倒壊するという事例が起きている.風荷重に対する足場の安全技術指針には,足場に作用する風荷重の算定方法が示されているが,風が足場の側面側から作用するような複雑な問題については不明瞭な点が多く,そのような場合の定性的に正確な風荷重を得ることは足場の安全性向上に際して極めて重要であると考えられる.そこで本研究では,一般的によく用いられている枠組足場に対し流体解析を行い,枠組足場に作用する風荷重を算出する.流体解析から得られた分布に基づいて仮定した風荷重と,風荷重に対する足場の安全技術指針をもとに得られた風荷重をそれぞれ外力とし構造解析を行い,枠組足場の変位および壁つなぎの軸力を比較する.流体解析には,オープンソースの流体解析ソルバーであるOpenFOAMを用いる.構造解析には,最小限の要素分割で大規模構造物を解析することが可能であるASIGauss法を用いる.


In this paper, numerical evaluation on displacement of prefabricated scaffolds and axial force of wall ties are conducted under assumed wind loads based on fluid analysis and the safety technical guidelines of prefabricated scaffolds. OpenFOAM, which is an open-source numerical solver, is used for fluid analysis. The Adaptively Shifted Integration (ASI)-Gauss code, which can stably calculate nonlinear phenomena such as member fracture, is used as a structural analysis code in this research. As a result, assumed wind loads based on fluid analysis induced more complicated behavior in prefabricated scaffolds.


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