阪神・淡路大震災時における阪神高速道路3号神戸線の挙動解析

Motion analysis of Hanshin Expressway No.3 Kobe Line during Great Hanshin-Awaji Earthquake

Abstract


1995年に発生した兵庫県南部地震により,自動車道や鉄道など,多くの高架橋が甚大な被害を受けた.特に,阪神高速道路3号神戸線内には横倒しになって倒壊した区間がある.倒壊したのは,全長約635[m]の18径間PCゲルバー橋である.この区間は19脚の橋脚からなり,両端の橋脚はRC単柱橋脚で,その間にある17脚はピルツ形式になっている.ピルツ形式とは,橋脚の一部が受桁内にあり,一体となっているものをいう(以下,ピルツ形式の橋脚と受桁を合わせてピルツ橋脚と呼ぶ).倒壊しているピルツ橋脚のほとんどが,段落し部から折れるようにして倒壊している.ここで,段落し部とは,橋脚の主鉄筋が途中定着している部分をいう.この倒壊は大規模であったにも関わらず,目撃者が少なく,また,その後の解析的検討からも,どの橋脚から倒壊が進展したかなど,倒壊過程の詳細は明らかになっていない.そこで本研究では,橋脚の位置や長さ,段落し部や主筋量,上部構造の質量,重心位置等を考慮した上で18径間PCゲルバー橋のモデルを構築し,JMA神戸波を入力した際の挙動解析を行った.数値解析手法として,構造物の崩壊解析において実績があるASI-Gauss法を用いた.解析結果を基に,倒壊の進展のプロセスについて考察する.


In this paper, we investigated the factor that caused the collapse of 18-span Gerber beam prestressed concrete (PC) bridge of the Hanshin Expressway No.3 Kobe Line during the Great Hanshin-Awaji Earthquake which occurred in 1995. The ASI-Gauss code which can stably calculate non-linear phenomenon such as collapse was used as a numerical code for this research.


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