大空間建築物の地震時における天井落下に関する数値解析的研究 その1.基礎的検討

Numerical Study on the Ceiling Collapse in Large-Space Buildings during Earthquakes -Part1 Basic Study

Abstract


大規模空間を持つ施設では,東北地方太平洋沖地震においても天井・設備機器・配線等の損傷・落下する被害が多く報告されている.大規模空間で天井が落下すると人命に危険をおよぼす恐れがあり,そのメカニズムを解明することは喫緊の課題である.そのため,振動台実験,数値解析による検証が必要不可欠である.被害報告から,天井落下の直接的な要因はクリップの損傷である可能性が指摘されている.また,ハンガーの損傷も要因の一つと言われており,クリップ,ハンガーの要素実験が多く実施されている.2014 年1 月には,実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)において体育館を想定した大空間建築物に設置された吊り天井の脱落被害再現実験が実施された.本研究では,地震動,弾塑性,落下などを含む非線形性が強い解析でも安定して行えるASIGauss法にクリップ,ハンガーの脱落条件を設定し,地震動による天井の落下解析を実施する.解析対象モデルは,避難施設としての役割を担う学校施設の体育館とする.本稿では,体育館仕様の天井および体育館構造躯体をモデル化し,地震動による天井の損傷・落下現象の再現に関する基礎的検討を行う.


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