Abstract
日本では常に地震による脅威にさらされており、大地震が発生した際に生じる被害を最小限に留めるには、耐震性の高い構造物を設計・建造することは必要不可欠であると言える。そのためにも、地震によって生じる構造物の挙動を短時間でシミュレートできる手法の開発は今後の構造物設計において非常に重要である。また、首都圏においては今後、兵庫県南部地震のような大規模な直下型地震が発生すると言われているが、このような地震に対する構造物の被害を予測するためには、水平方向の加振のみによる解析では不十分と思われる。より優れた地震崩壊解析技術を構築するためには、鉛直方向の加振も考慮でき、かつ三軸同時に地震力を受けた際の構造物の崩壊挙動をシミュレートできるプログラムが必要不可欠である。筆者らは、三軸方向同時に地震力を入力することが可能で、かつ構造物の崩落現象を解析することが可能なアルゴリズムを提案した。本稿では、8層構造物に対して水平二軸加振および三軸加振を行い、その崩壊挙動の比較を行う。解析手法として、ASI-Gauss法を支持点加振に基づいた地震応答解析プログラムに導入したものを用いた。